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注文住宅を建てると決めたあなたはすぐに住宅展示場に行こうと思っていませんか?もちろん仕事が忙しくて注文住宅について調べる暇がにない人もいるでしょう。

ただ一生に一番高い買い物をするとなればもう少し注文住宅について下調べしてから行くことをおすすめします。何もわからないうちに住宅展示場に行くと住宅メーカーの営業マンに思い通りに進められてしまいます。

最低限の住宅工法の種類やメリット・デメリット、室内の温度環境を決める断熱工法は内断熱、外断熱のどちらが良いのか、また材料は集成材と無垢材どちらが良いのかについてお伝えします。

注文住宅と建売住宅の違いが判らない方は
注文住宅と建売住宅の違いや注意点について!住宅展示場で気を付ける点は?
をまず読んでください。

注文住宅の住宅工法の種類は?

木造住宅には2つの種類があります。

① 木造軸組工法(在来工法)

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木造軸組工法(もしくは在来工法)は日本で昔から行われてきた工法で多くの住宅はこの工法で造られています。柱を立てて梁を渡して組み立てていきます。

【メリット】

柱や壁を自由に動かすことができるので間取りを自由に決められ、また増改築の際の間取りの変更も簡単です。

【デメリット】

もうひとつの工法である2X4(ツーバイフォー)と比べると地震に弱いと言われています。ただし現在の建築基準法に基づいて建てられていれば、ほぼ倒壊することはないとも言われています。

また木造軸組工法は住宅の質が職人の腕に左右されやすく、腕のいい職人が造ると、とても丈夫で品質の高い家ができます。

② 2×4(ツーバイフォー)工法

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この工法は19世紀にアメリカで考案され今も北米でよく使われています。

断面の寸法が2インチ×4インチの材で枠組みを造り、そこに構造用合板を張ってパネルにし、これを組み立てて家にします。

木造軸組工法が柱を組み立てて家を造るのに対して2X4工法はパネルを組み立てて造るという違いがあります。

2X4工法は壁で家を支えるため耐震性が強く、また工場で造ったパネルを建築現場で組み立てるので職人の技術の差が現れにくい工法です。

デメリット

壁の上に壁を積む工法なので、間取りの自由度が低いです。

次に木造住宅以外の工法を紹介します。

① 鉄骨造

構造の部分を鉄で造ります。ビルなどの大型建築に使用されるのが重量鉄骨で住宅では軽量鉄骨が主流です。鉄骨の柱や梁を組み立てて造ります。コストは木造に比べて低く、広い空間をとることができます。

デメリット
火災に弱いという面があります。木造の方が火災に弱いと思うかもしれませんが、火災時は熱によって鉄骨が溶けて変形し崩壊してしまう危険性もあります。

② 鉄筋コンクリート造(RC造)

マンションなどの集合住宅で使われる工法が鉄筋コンクリート造です。RC造とも言われています。引張力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートを組み合わせているため他の工法にくらべて耐久性に優れています。

デメリット
コストが高くなり、また建物自体の重量が重くなるため、地盤があまり強くない場合は地盤改良などでさらに費用がかかります。

内断熱と外断熱の違いは?

「住みやすい家」と言えば「1年を通じて温度変化があまりない家」ではないでしょうか?冷暖房費が節約できるので省エネの面においても優れています。

室内の温度は建物の壁ではなく断熱工法によって左右されます。

① 内断熱工法

昔から使われていたのは柱と柱の壁内に断熱材を充填する内断熱工法です。

ただし内断熱工法がよく用いられる北欧や北米とは異なり、日本は高温多湿の気候のために壁内に結露が発生しやすくカビや腐食を引き起こしやすいです。

② 外断熱工法

家全体をすっぽりとすき間なく断熱材で柱の外側を包んでしまうのが外断熱工法です。魔法瓶のように中の空間の温度と気密性を保ちます。

また壁の内部と居住空間との温度差が小さくなるため、カビや腐食の原因となる結露も発生しにくくなります。

さらに外断熱工法は屋根裏や床下も室内との温度差が小さく空間を最大限利用できます。

この2つを比較すると明らかに外断熱工法がおすすめです。

柱や梁などに使用する材料は何が良い?

木造住宅の場合、ひき板や小角材を接着剤で組み合わせた「集成材」を使う会社も多いですが、長く住むことを考えると一本の木から切り出した
「無垢材」を使用すべきだと思います。

集成材の強度を試験すると無垢材よりも強いという結果がでるので集成材で問題ないという人もいますが、それは現時点での話で30年後もその強度を維持できるのかは疑問です。

一方で無垢材の強度はその木材の樹齢に比例して年々増していくと一般的に言われています。

たとえば樹齢50年の木材ならば50年間かけて強度が増していくのです。

私は仕事で色々な住宅メーカーの新築現場を見る機会がありましたが、本当に中身がスカスカなのではないかというくらい軽い木材を使用しているメーカーもあれば、ずっしりと重いヒノキを使用しているメーカーもあります。

住宅が完成すると外からは違いがわかりませんが、恐らくスカスカの軽い木材を使用しているメーカーの家は数年で何かしらの不具合が出るのではないかと心配になってしまいます。

まとめ

最低でも今回紹介したような知識を覚えてから住宅展示場に行くようにしましょう。ある程度知識があると住宅メーカーの営業マンも「住宅のことに詳しい人だからきちんと説明しないと」という印象を持つかもしれません。

何も知識が無くて行った場合は営業マンが「説得しやすいのでデメリットにもうまくごまかせる」と思われる可能性があります。

知識がないから最初から住宅展示場に行って聞くのではなく、ある程度自分で調べて住宅について知ってから行くようにしてください。一生に一度の高い買い物です。慎重に選びましょう。