予防接種や手洗いうがいを念入りにしても
インフルエンザにかかることがあります。
ではお子さんがインフルエンザに感染してしまった場合に
どのように対応すれば良いのか?
そして看病する際の注意点についてお伝えします。
インフルエンザかどうか判断する基準は?
インフルエンザはカゼの症状と似ているので
最初はわかりづらいかもしれませんが、
一番の特徴は38℃以上の熱が急激に出ます。
その他頭痛やせき、のどの痛み、全身の倦怠感を
伴う場合はインフルエンザの可能性が高いです。
(関節痛や筋肉痛を伴う場合ももあります)
特に保育園や幼稚園、学校でインフルエンザが
流行している場合はまずインフルエンザと疑った方が
良いです。
ただそこですぐに病院に連れていくのは
早すぎます。
インフルエンザが発症したと思ってすぐに
病院に連れて行って検査すると大抵は陰性と
出てしまいます。
そのため風邪薬をもらって帰り、
次の日再検査をしたら陽性だったということも。
けいれんなど重症化していない限りは
12時間程度経ってから検査を受けるようにしましょう。
病院につれていく重症化の判断
けいれんや呼びかけに答えない
呼吸が速く、とても苦しそう
顔色が悪い(青白い)
おう吐や下痢が続く
40℃以上の高熱が続く
子供がインフルエンザに感染したら
① 部屋の湿度を調節する
これは他の家族がかからないようにするためですが、
空気が乾燥するとのどの粘膜の防御機能が低下して
インフルエンザにかかりやすくなります。
またインフルエンザウイルスは乾燥している
環境では浮遊しているのですが、
湿度が高いと空気中の水滴が多くなり
ウイルスも浮遊しにくくなります。
普段から湿度は50~60%位に調節しましょう。
換気も2~3時間置きにするようにしてください。
※インフルエンザウイルスに関する記事で
「インフルエンザは低温を好み、10℃前後で
活発に増殖する」ということを書いてあるのを
見かけますが、ウイルスは空気中では増殖せず
ヒトなどの宿主となる細胞のみで増殖するので
これは間違いです。
② 布団で調節する
熱が急激に上がると体は寒く感じるので
布団をいつもより多く重ねるようにしましょう。
そして汗をかくようになったら
ひんぱんに下着を取り替えてあげてください。
③ 水分補修を忘れずに
汗をかいたり、またおう吐などの症状が
ある場合は脱水症状になりやすいので
少量でも良いのでこまめに水分を
飲ませるようにしましょう。
水分は真水やポカリスエットなどの
糖分が多い清涼飲料水よりも
経口補水液がおすすめです。
④ 水枕や熱さましのシートを利用する
インフルエンザは高熱になりやすいので
水枕や氷枕で冷やすほうが良いでしょう。
また高熱が続くようであれば、ワキの下や
太ももの付け根、首の頸動脈などの太い血管が
通っている部分を熱さましのシートで冷やすのも、
効果的です。
そして重症化している以外は
感染してから半日程経過したくらいで
病院に行き、インフルエンザの検査や治療を
受けるようにしましょう。
子供がインフルエンザに感染した場合の注意点
インフルエンザにお子さんが感染した時に
一番注意しなくてはいけないのは
急激に熱を下げようとすることです。
高熱が出る理由はウイルスの攻撃から
体を守るためです。
解熱剤を飲ませたり、坐薬を入れたりして
無理に体温を下げようとすると
体の防御機能が落ちてしまい
逆に回復が遅れてしまいます。
子供はカゼやインフルエンザを繰り返して
病気と闘う免疫力を育てていきます。
特に市販の解熱剤を使用して体温を
下げようとすると
致死率が高く、治っても後遺症が残る可能性が高い
「インフルエンザ脳症」にかかる可能性があります。
絶対に自分の判断で使用するのは止めてください。
ただインフルエンザの場合は40℃を超える高熱が続く場合があります。
そうなると別の問題が発生し、熱そのものが体に障害を
起こす可能性があるので、
その場合は病院に確認して指示を受けてから解熱剤を
使用してください。
解熱剤の中でも比較的軽いアセトアミノフェン
(小児用バファリンなど)があります。
ただこの解熱剤を使用する場合も医師や薬剤師に
相談してからにしましょう。
40℃以上の熱の場合は急激に下げるのではなく
38℃~39℃程度に下がれば良いと思わなければ
いけません。
40℃以上の熱を無理に短時間で36~37℃に下げようとすると
子供の体に大きな負担がかかるので注意しましょう。
熱が下がった後は
お子さんは元気になってすぐに
保育園や幼稚園、学校に行きたくなるかも
しれませんが
学校保健安全法では出席停止期間の基準を
「発症したら5日を経過し、かつ解熱した後
2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」と
定めています。
またインフルエンザは二峰性(にほうせい)の熱といって
1日だけ平熱に下がってからまた発熱することがよくあるので
下がっても翌日に行くのは止めましょう。
まとめ
インフルエンザは感染すると同じ型には
かかりまんが、別の型にはかかることがあります。
(A型の後B型にかかることはよくあります)
インフルエンザにかかって免疫ができたと
言って安心してはいけません。
またこの冬はノロウイルスが大流行する恐れも
あるので立て続けに病気にかからないように
気を付けましょう。