スズメバチは強力な毒を持っているので
見つけた時は刺されないように防御すると思いますが
それでも刺されてしまうこともあります。
では実際にスズメバチに刺された時はどのように
対処をすればよいのか?
そして刺されるのが二回目の場合は特に危険と
言われていますが、その理由と
どのような注意が必要なのかお伝えします。
スズメバチに刺された時の対処法
スズメバチの行動が活発な8月下旬から
10月位までは特に注意が必要です。
野山に生息することが多いですが
最近は住宅地でも見かけることが多いので
山に行かないからといって安心はできません。
では刺されてしまった場合どのような
対処をすれば良いのでしょうか?
① スズメバチから離れる
刺された時は痛みと刺されてしまったという
焦りからパニックを起こしてしまう場合がありますが
まずは冷静になってスズメバチがいない所に避難しましょう。
スズメバチは一度人を刺したら針が取れて
死んでしまうミツバチと違い、毒がある限り何度も
刺してきます。
またスズメバチは毒液を相手の体や服に向けて
まき散らします。
この毒液は警報フェロモンの働きを持っており
速やかにその場を離れないと
さらに多くのスズメバチが襲ってくることも
あるので大変危険です。
避難する際、慌てて走って逃げてはいけません。
ゆっくりと後ずさりをするようにしてください。
ですがスズメバチに刺された痛みとショックで
冷静になるのは難しいですし、
スズメバチがぐるぐる旋回してカチカチと音をたてて
威嚇して向かってくるような場合は
あなたに照準を合わせて攻撃を何度もするぞという
合図ですので、もうそのような状況では
急いで逃げるしかありません。
そのような状況の場合はジグザグ走行で
逃げるようにしましょう。
スズメバチは真っすぐ追いかけてきて
急な方向転換ができないので
ジグザグ走行が効果的です。
避難場所は屋内が理想ですが
無理な場合は30m位離れて向かって来て
いないならばそこで応急処置をします。
② 毒針を抜き取る
蜂の毒針は釣り針でいう「返し」のような
トゲがあり、刺されると抜けにくくなっています。
また刺された蜂の針の先は毒の袋がついていて
少しずつ皮膚の中に毒がしみ込む仕組みになっているで
刺された箇所に針が残っている時は
素早く抜くようにしてください。
その際に注意しなくていけないのが手で直接針を抜くことです。
毒を触ってしまう危険だけでなく、
余計に毒を押し込む可能性もありとても危険です。
針を抜き取る際はピンセットや毛抜きで抜くのが
キレイに取れるので一番良いのですが、
持っていない場合も多いので代わりのものを
使用してください。
財布などに入っている薄くて固いカードなどで
針を弾くように吹き飛ばしたり、
ガムテープなどがあれば粘着面を当てて抜き取るように
するなど
その場にあるもので工夫をしてください。
③ 毒を水で洗い流す、またはリムーバーを利用する
毒を吸い出すのに一番良いのは
「ポイズンリムーバー」を使用することです。
この商品は手軽な価格で購入できるので
山によく行かれる方はぜひ常に常備することを
おすすめします。
リムーバーが無い場合は水で毒を洗い流します。
刺された箇所にただ水をかけるのではなく
絞り出すような感じで洗うようにしてください。
5分程度継続しましょう。
間違っても口で毒を吸い出そうとしてはいけません。
④ 虫刺され用の薬を塗る
ステロイドや抗ヒスタミンが入っている
虫刺され用の薬をぬりましょう。
ステロイドは炎症を鎮める働きが
抗ヒスタミンはかゆみを和らげる働きがあります。
※ちなみに蜂に刺されたらオシッコをかけると
良いという話を聞いたことがあるかもしれませんが
全く効果ありません。
⑤ 刺された箇所を冷やす
ぬれタオルや保冷材などで
患部を冷やしましょう。
蜂毒によるアナフィラキシー反応は
刺されてから数分~15分以内に
起こると言われています。
30分以内に特に目立った症状が無ければ
アナフィラキシーショックの心配はありません。
⑥ 病院に行く
アナフィラキシーショックの心配が無い場合でも
スズメバチに刺された場合は必ず病院に行くようにしましょう。
病院は救急病院に行くか、大人は皮膚科、子供は小児科に
行くようにしましょう。
刺された時の症状
蜂に刺された時の症状は
刺された人の体質や刺された箇所、健康状態や
毒成分に対するアレルギー反応によっても違います。
特にスズメバチの場合はチクッとした痛みを
感じてすぐに激痛が走ります。
そして刺された患部が大きく腫れあがることが多く
手に刺された場合はパンパンに膨れ上がります。
症状が重いと頭痛や発熱もあります。
そして1日か長くても2日は刺されたところが
熱を持ってかゆみや痛みが続きます。
腫れがひいたらもう大丈夫です。
スズメバチに刺されるのが初めての場合は
先程紹介した応急手当をすればこの程度で済むのですが、
問題は2回目以降の場合です。
2回目以降はアナフィラキシーショックに注意
アレルギーの一種であるアナフィラキシーショックは
スズメバチに2回目以降に刺された場合に
起こる可能性が高いです。
一度蜂に刺された人の約10%の人が蜂毒に対して
アレルギー抗体ができ、
約2%の人が重症のアレルギー反応である
アナフィラキシーショックの症状を起こすと
言われています。
最悪の場合はショック状態で心配停止の可能性も
あります。
もちろん初めて刺されたからといって
アナフィラキシーショック症状がでないとは
限りません。
残りの88%の方はある程度の痛みや腫れで済みますが
何度も刺されるとアレルギー症状が出る可能性が高くなるので
注意が必要です。
アナフィラキシーショックの症状
発汗
吐き気
頭痛
腹痛
じんましん
顔面蒼白
冷や汗
立ちくらみ
呼吸困難
動悸
悪寒
急激な尿便意
けいれん
意識障害など
これらの症状を自覚したり
見られたりした場合は
すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
そして救急車を待っている間は
患者を仰向けに寝かせて足を20~30cm浮かせて
安静にしましょう。
顔はおう吐の可能性があるので横向きにしてください。
アレルギー抗体ができたのかを知るには?
では刺された時にアレルギー抗体ができたのかどうかは
自分では判断することはできません。
特に一度でも刺されたことがある人は病院で
アレルギー抗体検査を受けるようにしてください。
その際に刺されてすぐに病院に行くのではなく
1か月以上経過してから行くようにしましょう。
この検査は蜂毒のアレルギーだけでなく、
スギ花粉やダニ、カビ、食物アレルギーも
調べることができます。
そして蜂毒のアレルギーはスズメバチだけでなく
アシナガバチやミツバチの検査もできます。
これらの蜂の毒には交差性があり、
スズメバチに刺されてもアシナガバチやミツバチの抗体価が
上昇したり、またこの逆の例もあります。
その為アシナガバチやミツバチに以前刺されたことがあった
場合はスズメバチに初めて刺された場合でも
アレルギー症状が出る可能性があるので注意が必要です。
アレルギーが無ければ安心ですし、
アレルギーであればきっちりと対策を取ることができるので
確認の意味でもアレルギー抗体検査を受けるようにしてください。
その他蜂毒抽出物質を用いて免疫療法をおこなうことにより
症状を軽減することもできますので
まずは病院に相談してください。
まとめ
スズメバチによる被害は毎年数十人の方が
亡くなるなど毒を持つ生き物の中では
一番危険です。
最近はスズメバチの外来種も発見され
ものすごい勢いで数が増えているという
報告もあるので
特に秋のシーズンは注意するようにしましょう。