毎年、あなたのこころを豊かにしてくれる紅葉の景色
この土地に暮らしている幸せを感じられるひとときですね。
ぜひ、今年の紅葉も楽しみたい!と思っている方も、多いのではないでしょうか。
しかし、人気のスポットは多くの人で混雑していることもしばしば。
紅葉をゆっくり楽しみたいという方に、ここでは、美術館に併設されている世田谷区内の庭園の紅葉をご紹介したいと思います。
意外に、穴場スポットですよ。
電車で移動ではなく、「めぐるーぷ」というバスに乗って回るのも疲れないのでおすすめです。
芸術と紅葉の景色で、秋を大いに満喫できちゃう欲張りな散策コースを紹介します。
五島美術館
五島美術館は、東京都世田谷区上野毛(かみのげ)の閑静な住宅街にあります。
東京急行電鉄株式会社の元会長・五島慶太(ごとうけいた 1882-1959)により集められた貴重な美術品を観ることができます。
秋の紅葉の時期には、国宝「紫式部日記絵巻」を、1週間程度公開しています。
散策に出かけられる際は、ぜひ公開時期に合わせてお出かけをされると良いでしょう。
広大な敷地
敷地は庭園を含めると約6000坪にもなる広さだとか。
武蔵野の雑木林が多摩川に向って深く傾斜する庭園には、「大日如来」や「六地蔵」などの石仏が点在し、「上野毛のコブシ」(東京都指定天然記念物)やツツジ、しだれ桜など、季節ごとに多彩な花を楽しむことができます。
いくつもの季節を重ねてきた庭園の木々たちは、関わってきた人々に大切に見守られてきたことが伺える美しい姿を私達に見せてくれます。
池に注ぎ込まれるように枝を伸ばしたモミジは、とても優雅で歴史を感じる立派なものです。
紅葉の時期には、燃えるような赤い色に染まり、その姿は圧巻です。
散策路
散策路は、モミジを高い丘の上から覗き込み、また池のほとりで枝をくぐり仰ぎみることもできるように設計されています。
また、明治時代に建てられた茶室「古経楼」(こきょうろう)、立礼席「冨士見亭」(ふじみてい)があります。
国分寺崖線が舌状になっている場所に五島美術館はあり、敷地内の古経楼と冨士見亭は、崖線の高低差を利用して作られた茶室となっているのも見どころです。
冨士見亭は、晩年の五島慶太が“座礼にも対応できる立礼席の茶室”として彼自身足が不自由となったことで考案したものです。
どちらの茶室も非公開となっていますが、様々な茶会に利用されたり、特別に公開されるイベントを行っていたりもしています。
庭園
庭園内は、都内の喧騒を忘れさせてくれる、とても穏やかな時間が流れています。
時には、ホトトギスの鳴き声が聞こえることも。。。
耳をすませば、木々たちが赤や黄色に身を焦がす音も聞こえてくるかもしれませんね。
庭園は美術館を利用すると無料で鑑賞することができますが、庭園のみの散策(300円)もすることも可能です。
※散策路は、高低差がありますので、歩きやすい靴がおすすめですよ。
五島美術館からは、歩いて10分ほどで二子玉川ライズに行くことができます。
散策で乾いた喉を潤しに、カフェに立ち寄るのもよいですね。
基本情報
開館時間 | 午前10時から午後5時 ※入館受付は午後4時30分までとなります。 |
休館日 | 毎月曜日 その他、展示替期間、夏期整備期間、年末年始など ※祝日の場合は翌平日となります。 |
入館料 |
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住所 | 〒158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25 |
アクセス | 東急・大井町線「上野毛(かみのげ)駅」下車徒歩約5分 |
お問合せ (展覧会の案内) |
03-5777-8600(ハローダイヤル) 03-3703-0661(テープ案内) |
静嘉堂文庫美術館
あこがれの明清絵画展も残り一週間になりました。晩秋の武蔵野の自然が皆様のご来館をお待ちしております。晴れていれば富士山もご覧頂けます。#静嘉堂文庫 #明清絵画 #紅葉 #富士山 #世田谷 #お散歩 pic.twitter.com/QQ5EHEaZhb
— 静嘉堂文庫美術館 (@seikadomuseum) 2017年12月10日
静嘉堂は、三菱二代目社長・岩崎彌之助(1851〜1908)と四代目社長・小彌太(1879〜1945)の父子二代によって設立されました。
国宝7点、重要文化財84点を含む二人の愛したコレクションの数々が、ここに収蔵されています。
門から続く少し急な坂を登っていくと現れる、二つの建物。
- 比較的新しい建物が「静嘉堂文庫美術館」
- そして右手に隣接する洋館が「静嘉堂文庫」
廟(納骨堂)
美術館の左方向には、樹木に見守られるようにして廟(納骨堂) が建っています。
小彌太が父の三回忌に合わせて建設した霊廟で、日本の西洋建築の祖といわれるジョサイア・コンドルが設計しました。
これらの建物をみられるのも、静嘉堂の魅力のひとつです。
ジョサイア・コンドル
鹿鳴館の設計で知られるコンドルは、岩﨑彌之助の深川邸洋館(現・清澄公園内、現存せず)や高輪邸(現・開東閣)、三菱一号館(2009年復元、現・三菱一号館美術館)など、岩﨑家ゆかりの建物も数多く手がけています。
ジョサイア・コンドルの愛弟子には、東京駅などを設計した明治時代を代表する建築家 辰野金吾(たつの・きんご) などがいます。
庭園
武蔵野の面影を色濃く残しており、美術館南側斜面の梅園や美術館入口脇のギンモクセイなど、四季折々のさまざまな樹木や花々を楽しむことができます。
また庭園内には、世田谷の町並みを一望できる場所があり、紅葉の時期、色づいた木々越しにみる町並みは美しい限りです。
タクシーでの来館でキャッシュバックサービス
ご年配の方や、急な坂を登る自信がない方は、タクシーを利用すれば、美術館の建物前まで車で行くことができます。
二子玉川駅から美術館入口前までは約10分程で、料金は約800円程となります。(道路状況やタクシー会社によっては前後します。)
正門をくぐって丘の上にある美術館入口まで、そのまま進めむことができます。
正門で下車されると、美術館入口まで徒歩で約3分程かかってしまいますので運転手さんへ「美術館の入り口まで」と伝えましょうね。
また、タクシー代は受付でキャッシュバックサービスが利用できます。
タクシーを利用されてご入場される場合、領収書と引き換えに一台200円がキャッシュバックサービスとなります。
入館料からタクシー代200円がキャッシュバックとなりますので入館料をお支払いの際に受付で領収書を渡しましょう。
なお、領収書は返してもらえないということを了承した上で利用しましょう。
基本情報
開館時間 | 午前10時~午後4時30分 入館受付は午後4時までとなります。 |
休館日 | 毎週月曜日 ※祝日の場合は開館し翌火曜日が休館となります。 ※展覧会期間以外は休館となり、常設展示はありません。 展覧会年間スケジュールはこちらから確認できます。 |
入館料 |
障害者手帳をお持ちの方、介助者1名は700円となります。 |
住所 | 〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-23-1 |
アクセス |
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お問合せ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
世田谷美術館
世田谷美術館は、砧公園の一角にあります。
近現代の作品を中心に、国内だけでなく、海外の作品も多数収集しており、約16,000点の美術作品を鑑賞することができます。
コレクションの大きな柱は、素朴派と言われる作品や、世田谷区ゆかりの作家の作品となっています。
さらには、美食家で、書、器といった様々な分野で才能を発揮した北大路魯山人の作品も、充実したコレクションとなっているのです。
砧公園
他の2つの美術館の庭園とは違い、開けた大空のもとで紅葉が楽しめます。
広々とした芝生を縁取るように色づいた木々たちが立ち並んでいます。
芝の緑と木々の赤や黄色のコントラストは、あらためて自然の美しさに圧倒される景色です。
お天気が良い日であれば、澄み渡った秋の空を仰ぎ見ることもできます。
レストランやカフェも併設
砧公園の景色を眺めながら、気軽にフレンチが楽しめるレストラン「ル・ジャルダン」や、美術館の地下中庭にはオープンカフェ「SeTaBi Café (セタビカフェ)」が併設されています。
お腹が空いたらこちらでランチやお茶をするのも良いですね。
または、近くで美味しいデリをテイクアウトして、園内のベンチで食べるのもおすすめです。
暖かくなる春までおあずけになる野外でのピクニックも、この時期が最後のチャンスかもしれませんね。
基本情報
開館時間 | 午前10時~午後6時 展覧会への入場は閉館30分前までとなります。 |
休館日 | 月曜日、年末年始(12月29日〜1月3日) ※祝日の場合は開館し翌火曜日が休館となります。 ※展示替の期間中は、企画展・ミュージアム コレクション展示室の両方を閉める場合があります。 |
入館料 |
※()内金額は、20名以上の団体料金になります。 |
住所 | 〒157-0075 世田谷区砧公園1-2 |
アクセス |
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駐車場 | 来館者専用駐車場(無料 60台) 砧公園有料駐車場(有料 177台) 障害者用の無料駐車場(無料 2台) |
お問合せ | 03-3415-6011 |
割引情報
- 世田谷美術館の企画展(「ミュージアムコレクション展」を除く)をご覧になった観覧有料券(券面展覧会最終日より1年以内のもの)を五島美術館の観覧受付時に提示すると、五島美術館の一般入館料から100円が割り引きされます。
- 五島美術館の展覧会をご覧になった有料入館券(入館日付印から1年以内のもの)を世田谷美術館の観覧受付時提示すると、世田谷美術館の正規観覧料(一般、高校・大学生、小・中学生)が団体料金へと割り引かれます。
- 五島美術館の展覧会をご覧になった有料入館券(入館日付印から1年以内のもの)を静嘉堂文庫美術館の観覧受付時に提示すると、正規入館料から200円が割引されます。
- 静嘉堂文庫美術館の展覧会をご覧になった有料入館券(入館日付印から1年以内のもの)を五島美術館の観覧受付時に提示すると、一般入館料から100円が割引されます。
- チケット1枚につき1名様、1回限り有効です。
- ぐるっとパス、友の会会員証、招待券は対象外です。
- 他割引との併用はできません。
3つの美術館をめぐるバス路線「めぐるーぷ」とは?
- 五島美術館
- 静嘉堂文庫美術館
- 世田谷美術館
この3つの美術館をめぐるバス路線が期間限定で運行しています。
土・日・祝日のみの運行となります。
紅葉の時期に利用してみると良いですね。
めぐるーぷは、3つの美術館と二子玉川駅にしか止まらないため、紅葉の散策にはとても利便性が良いのがポイントです。
今年から運行が始まったために、世田谷にお住まいの地元の方でもご存知ない方がいるそうなので、こちらのバスも穴場かもしれません。
IC1日券を活用してみよう
めぐるーぷで3つの美術館に行くと、その都度料金を支払わなくてはならないのですが、そんな時は「IC1日券」というのがあります。
区分 | 料金 |
大人 | 510円 |
小児 | 260円 |
3回以上乗る場合は「IC1日券」のほうがお得です。
東急バス車内で購入できるので、乗るときに運転手さんに「IC1日券お願いします。」と伝えましょう。
まとめ
都内の紅葉の見ごろは例年は11月中旬~12月上旬と言われていますが、昨年(2017年)は11月中旬はまだ紅く染まっていませんでした。
今年(2018年)の夏は猛暑でしたので、例年よりも遅く、昨年のように11月下旬から12月中旬が見ごろになると思います。
都内には紅葉の名所はたくさんありますが、混雑でゆっくりと見れないところもあります。
それに比べると今回紹介した世田谷区の3つの美術館の紅葉は穴場のスポットなのでとてもおすすめです。
バスに乗って回れるのも電車で名所めぐりするのも楽です。
ただし、「めぐるーぷ」は通常の路線バスと同じ停留所を利用するので、乗り間違えないように注意が必要かもしれません。
車体自体が全く違う(めぐるーぷは車体が小さく可愛いバス)ので、すぐ分かりますが、先に路線バスが来ると乗ってしまう人もいるかも。。と思いました。
燃えるような赤いモミジや、黄金に輝く銀杏を愛でる時間は、私達のこころを充電してくれますね。
フル充電されたホカホカの自分になって、寒い冬に備えたいものです。