2017年の全仏オープンテニスが5月28日(日)~6月11日(日)
まで行われます。(日本時間では5月29日~6月12日)
全仏オープンはテニスの四大大会(グランドスラム)の
一つで、1月の全豪オープンの次に行われる大会ですが
4か月ぶりのグランドスラムなので
とても待ち遠しいですね。
今回はその全豪オープンの歴史と優勝賞金、
錦織圭選手の過去の全仏オープンでの成績を紹介します。
グランドスラム全仏オープンの歴史と特徴
1891年フランス選手権として創設された
グランドスラムのひとつ全仏オープンテニスは
1924年までフランス国内選手のみにしか参加が
許されない極めて閉鎖的でローカルな
フレンチ選手権でした。
その後
1925年 規定を改定し国際大会になる
1928年 開催地をローラン・ギャロス・スタジアムに移転
1968年 四大大会で初のオープン大会となる
1995年 センターコート「コート・フィリップ・シャトリエ」を増築
プロ・アマで参加資格を限らずに、
予選を勝ち上がるなどの条件を満たせば誰でも
参加できる大会という意味です。
またローランギャロスという名前は建設に寄与した
第一次世界大戦で活躍したパイロットの名前です。[/tip]
全仏オープンテニスの特徴はなんと言っても
グランドスラム大会で唯一のクレーコート(赤土)を
利用することですね。
大会は波乱に富み、上位シード選手が早い段階で
敗退することが多いことから
「レッドクレー(赤土)の魔物が棲む場所」と
呼ばれています。
過去に世界ランキング1位だったピート・サンプラスは
グランドスラムで14度優勝したにも関わらず
全仏オープンだけは制覇できませんでした。
また男子歴代1位の17回のグランドスラムを制した
ロジャー・フェデラーも全仏では1回のみ
現在世界ランキング2位のノバク・ジョコビッチも
グランドスラムで12回優勝していますが
全仏では昨年ようやく初優勝して
生涯グランドスラムを達成しました。
※生涯グランドスラム=四大大会全てに優勝すること
現在ランキング1位のアンディ・マレーも
まだ優勝はありません。
そしてなんといっても
2005年から2014年の10年間のうち
2009年を除いて全て優勝しているのが
ラフェエル・ナダルです。
(2009年はフェデラーが優勝)
ここ2年はケガなどで優勝していないナダルですが
最近はこの前の全豪オープンで準優勝と
少しずつ結果を出しているので
今年は期待したいですね。
この結果から全仏オープンは
「クレーコート・スペシャリスト」たちが
優勝の大半を占める傾向が強く、
生涯グランドスラム(全てのグランドスラムで優勝)を
目指す最大の壁となっており、
技術だけではなく、強い精神力が勝敗を左右する
最も過酷なトーナメントと言われている
グランドスラム大会です。
全豪オープンの優勝賞金と賞金総額
全仏オープンの賞金総額は
- 2015年が2,800万ユーロ
- 2016年は約3200万ユーロ
- 2017年は3600万ユーロ
と年々上がっていますね。
2015年と2017年のレートは違いますが
仮に5月22日現在1ユーロ約124円で換算すると
3600万ユーロ=44億6400万円となります。
ここ2年で800万ユーロ=9億9千200万と
約10億増えているので、
この不況の中でものスゴイ金額ですね。
ちなみに他の4大大会の賞金総額と比較すると
(2017年5月22日の為替で比較)
- 今年の全豪オープンが
5000万豪ドル=約41億5千万円 - 昨年の全米オープンが
4,630万ドル=約51億3930万円
- 昨年の全英オープンが
2810万ポンド=約40億7450万円
と比較すると全仏オープンが44億6400万円
ですので、2番目に高い金額ですが、
おそらく全仏の次にやる来月の全英オープンが
さらに賞金総額が上がると思いますし、
毎年トップの全米オープンも間違いなく
上がるでしょう。
全仏オープンのシングルスの優勝賞金
昨年の男女シングルスの優勝賞金は180万ユーロ
(約2億2,320万円)でしたが
今年は30万ユーロ(約3720万円)上がって
210万ユーロ(約2億6千万円)となります。
- 優勝者 :210万ユーロ(約2億6千万円)
- 準優勝 :105万ユーロ(約1億3千万円)
- ベスト4 : 52万ユーロ (約6,448万円)
- ベスト8 :31万ユーロ(約3,844万円)
- ベスト16:19万ユーロ(約2,356万円)
- 3回戦 :11万ユーロ(約1,364万円)
- 2回戦 :7万ユーロ (約868万円)
- 1回戦 :4万ユーロ (約496万円)
1回戦で敗れても500万円近くもらえるのですね~。
まあ出場するだけでも大変ということがわかります。
最近の世界経済状況を考慮すると
テニス界の賞金(特にグランドスラム)は
どんどん上昇しているので本当に驚きです。
2017年の錦織全仏オープン成績
今年錦織選手は第8シードで出場します。
1回戦はT・コキナキス(オーストラリア)選手を
3-1(4-6, 6-1, 6-4, 6-4)の逆転で勝ちました。
コキナキス選手は2015年12月に右肩の手術を受け、
今大会には病気や怪我などでツアーから離れた選手に適応される
プロテクト・ランキングで本戦入りしているとあって
錦織選手が簡単に勝つと思ったのですが
甘くありませんね。
コキナキス選手はケガさえなければ今頃
スゴイ選手になっていたかもしれません。
2セット目は余裕で見れましたが、3、4セットは
結構接戦でした。
3時間超えたというのが誤算でしたが
ケガもなく終わったのが良かったですね。
2回戦は世界ランク74位のJ・シャーディ(フランス)との
対戦が決まりました。
今回が8度目の対戦で、錦織選手の5勝2敗。
直近は今年の全豪オープン2回戦で、その時は
錦織選手が3-0のストレートで勝っています。
昨年、一昨年とフランスの選手に敗退しているので
地元の選手との対戦は少し心配でしたが
3-0(6-3、6-0、7-6)のストレートで勝ちました。
第1セット第1ゲームでいきなりブレークを許したので
少し心配しましたが
すぐに第2ゲームでブレークバックしましたね。
第2セットは6-0と圧倒しました。
ただ第3セットで右肩のケガによる治療を受けたのが
心配ですね。
第3セットは7-6と苦しみながらもなんとか勝利しました。
ケガの状態がまだわかりませんが
第4セットにならなくて良かったですね~。
ホッとしました。
明日1日しっかり休んでケガが回復して
3回戦を期待したいところです。
次もテレビ(テレビ東京かWOWOW)の前で
錦織選手を応援しましょう。
錦織圭選手の全仏オープンの過去の成績
2010年はプロテクトランキングを使用して
全仏オープンに繰り上げでストレートインを果たし
初出場しました。
初戦で2セットダウンから逆転で勝利すると
2回戦でジョコビッチにストレートで敗れました。
2011年は2回戦で第31シードのセルジー・スタホフスキー
(ウクライナ)に1-3で敗れました。
(錦織選手は当時世界ランキング47位)
2012年はケガのために欠場
2013年は4回戦でこの大会に優勝した
第3シードのラファエ・ルナダルに
0-3(4-6,1-6,3-6)のストレート負けでしたが
日本人選手として75年ぶりにベスト16に進出しました。
(その後当時自己最高ランクの13位に上昇)
昨年2014年の全仏オープンは1回戦で
当時世界ランキング59位でノーシードの
マルティン・クレザン(スロバキア)に
6-7、1-6、2-6のストレート負けでした。
錦織選手のランキングは当時10位で第9シードでしたが
直前に行われたマドリード・オープンで
決勝まで勝ち進んだものの、ケガで途中棄権してしまい
全仏オープンの1回戦負けはケガが大きく影響していたと
考えられます。
2015年は世界ランキング6位で第5シードで出場しました。
1回戦は地元フランス出身のマチュー選手と対戦し
3-0(6-3、7-5、6-1)のストレートで錦織選手が
勝利しました。
2回戦はトマス・ベルーチ(ブラジル)と対戦
3-0(7-5、6-4、6-4)とこちらもストレートで
勝利しました。
3回戦は48位のベンヤミン・ベッカー(ドイツ)と
対戦予定でしたがベッカーの右肩負傷により
錦織選手の不戦勝となりました。
4回戦は74位のテイムラズ・ガバシュビリ(ロシア)と
対戦して
3-0(6-3 , 6-4 , 6-2 , )のストレートで勝利し、
全仏オープン初の準々決勝進出を果たしました。
全仏オープンでの日本人ベスト8は佐藤次郎さん以来
82年振りの快挙でした。
準々決勝は第14シードのジョーウィルフリード・
ツォンガ(フランス)と対戦。
惜しくも2-3(1-6 , 4-6 , 6-4 , 6-3 , 3-6)で
敗れてしまいました。
この試合は地元のツォンガ選手の応援がすごかったですね。
試合も圧倒されてストレート負けをするのでは?と
思ったのですが、
第2セットの途中で会場の電光掲示板が強風で落ちる
アクシデントがあり、試合が約40分中断しました。
試合後に「試合が中断するまで、
完全に自分を見失っていた。」と錦織選手が
コメントしたように
観客の声援に圧倒されて少し自分を見失って
いたのかもしれません。
全仏オープンは4大大会の中で一番観客のマナーが
悪いと言われていますが
本当にこの時はテニスの試合の雰囲気ではない気が
しました。
昨年2016年は第5シードで出場しました。
1回戦は世界ランキング116位のシモーネ・ボレリ
(イタリア)と対戦、
3-1(6-1, 7-5 , 6-3)で勝利しましたが
この試合は第3セット2-1で錦織選手がリード
していた途中で雨のため試合が中断し、
翌日に再開された試合でした。
2回戦は世界ランキング40位の
アンドレイ クズネツォフ(ロシア)との対戦で
3-0(全て6-3)のストレート勝ちでした。
3回戦は世界ランキング52位の
フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)との対戦で
3-2(6-3 , 6-4 , 3-6 , 2-6 , 6-4)とフルセットの末に
何とか勝利しました。
4回戦は第9シードのリシャール・ガスケ (フランス)との
対戦で、
以前は6連敗していた苦手な相手で、
2016年に入り2連勝していたので今回も問題ないと
思っていたのですが
1-3(4-6、2-6、6-4、2-6)で負けてしまいました。
2年連続で地元フランスの選手に敗れてしまいましたが
どうしても応援が気になるのでしょうか?
たしかにマナーが悪い応援なのですが。
今年も注意したいところですね。
まとめ
待ちに待った全仏オープンがスタートしました!
今年2017年は錦織選手の調子はケガもあって
よくありませんね~。
現在は世界ランキング9位とここ最近では
一番悪い数字ですが、
2014年全米オープンの時はケガなどで調子を落として
前評判がそれほど良くなかった中で
準決勝でジョコビッチ選手を破り準優勝した
経験がありましたね。
逆に2015年の全米オープンでは期待が高すぎた
せいなのか、1回戦敗退でした。
今年は前評判が良くないので、逆に予想を裏切る
展開を期待したいです。
やはり地元の選手との対戦に気をつけて
勝ち上がっていけば結構良いところまで
行くかもしれません。
また寝不足になりますが、是非錦織選手を
応援しましょう。