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亜硝酸ナトリウムの発がんの危険性と業者が使用する目的は?

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ハム、ソーセージ、ベーコンなどの肉類やイクラ、タラコ、明太子、などの魚卵系の加工品に使用されている亜硝酸ナトリウム(Na)発がん性などの危険があると言われる食品添加物です。

ではなぜ亜硝酸Naを使用するのか?そもそも必要な添加物なのかについてお伝えします。

亜硝酸Naを使用する目的や役割は?

ハムやソーセージ、イクラなどは時間が経つと黒ずんでしまい、美味しくなさそうに見えてしまうため、そこで使用するのが発色剤亜硝酸Naです。

亜硝酸Naを食品に添加すると安定した色素に変化します。

きれいな赤色をしていて長期間色が変わらないのでいつまでもおいしく見えるようにと使用するわけです。

消費者からすると
「食品が美味しくなくなるのではなく美味しくなさそうに見えるだけならば、そんな危険な添加物使用しない方が
良いのでは?」

と思うかもしれません。

ですが販売するお店からすると「変色すると本当にまずそうに見えてしまうので売上が落ちる」と判断し、長期に変色しないハムなどの加工食品を優先して仕入れようとします。

売上に影響するのであればメーカーは亜硝酸Naを使用して変色しない加工食品を提供するしかありません。

ただそれでも美味しく見えないからという理由で危険な添加物を利用するのは納得いかないという人もいると思いますが実は亜硝酸Naにはもう一つの役割もあります。

亜硝酸Naと危険性の高いボツリヌス菌について

ボツリヌス菌をご存知でしょうか?

たった1gで一都市分の人が死に至るぐらいの猛毒な菌です。

ハムやソーセージなど加工品を製造する際に外気などからボツリヌス菌が入り込む可能性があります。

そのボツリヌス菌による中毒を可能な限りゼロにするのが亜硝酸Naなのです。

ボツリヌス中毒が起こる確率は何万分の一と言われていますが、1日何十、何百万個と出荷するメーカー側は何万分の一の可能性も避けなくてはいけません。

ボツリヌス中毒の危険性と亜硝酸Naの危険性を比べてボツリヌス菌の方が危険だと判断し亜硝酸Naを使用しているわけです。

では亜硝酸Naの危険性はどれくらいのものなのでしょうか?



亜硝酸ナトリウムの危険性

亜硝酸Naは毒性が強くこれまでの中毒例を見ると人間の推定致死量は0.18~2.5gです。(mgだと180㎎~2500㎎)

亜硝酸NaのADI(1日摂取許容量)「0.06㎎以下×体重(kg)/日」となっています。

ADIとは生涯毎日摂取しても大丈夫な量のこと

体重が50kgの大人であれば3mg10kgの子どもであれば0.6㎎が1日の摂取許容量になります。

ハムやソーセージなどの加工食品には1kgあたり最大70㎎の亜硝酸Naを使用してよいことになっています。(100gあたり7㎎)

ここで疑問に思うのは

「えーっ?大人でもハムなど50~60g食べるだけで基準に達するし、子どもは10gしか食べることができないのー。」ではないでしょうか。

実はADI2~3日の間10~100倍に当たる数値の亜硝酸Naを摂取しても影響が出るとは考えられないレベルの安全値となっています。

それも一生涯に渡って毎日継続して摂取した場合なのでそれ程頻繁に亜硝酸Naの加工品は普通は食べないですし、食べたとしても少量だと思います。

また加工品1kgあたり最大70mgの亜硝酸Naを使用して良いと紹介しましたが、最大の許容量を使用している加工食品は少ないので実際は思っているよりも摂取量は少ないはずです。

ただ加工食品の原料表示を見ても亜硝酸Naの含有量がわからないので表示義務にしてくれるとありがたいですね。

大人であればソーセージ、ハムがとても大好きで毎日大量に食べるという人でなければ心配はないと言われています。

ハムなどを毎日大量に食べると亜硝酸Naの危険というより、カロリーや塩分の方が心配ですが・・・

ただし妊婦や小さいお子さんは毎日食べるのは控えた方が良いかもしれません。




亜硝酸Naとニトロソアミン類の危険性

亜硝酸Naにはもう一つの危険性が指摘されています。

亜硝酸Naは食肉に含まれるアミンという物質と結びついてニトロソアミン類という発がん性物質に変化します。

ニトロソアミン類はいくつか種類があり動物実験ではありますが、代表的なN-ニトロソジメチルアミンを飲料水やエサに0.0001~0.005%の低濃度で混ぜてラットに長期間与えたところ肝臓腎臓ガンを引き起こしました。

またこれも動物実験ですが亜硝酸塩(亜硝酸Naは亜硝酸塩の1種)とアミンを投与した実験では胃の中でニトロソアミン類ができてガンが発生しています。

動物実験の段階なので人への危険性はまだハッキリしませんが、動物には危険で人間には安全というのは考えづらいです。

これはあくまで推測ですが日本人が以前と比べると胃がんが多いのはハムなどの加工肉を多く食べる傾向になったのと元々明太子などの魚卵も多く食べるので、ニトロソアミン類が原因ではないかという指摘もあるほどです。

最近ではWHOがハムやソーセージの加工肉を食べるとガンになる可能性があると発表したように、色々と危険性が報じられる傾向にあります。

WHOの発表ではデータの発表だけで何が原因でカラダに悪いのかというところまではわかりませんでしたが、気になりますね。

まとめ

亜硝酸Naは変色しやすい加工肉や魚卵の見栄えを良くするための発色剤です。

ただそれだけの役割ではなく致死率が高いボツリヌス中毒を防ぐ目的もある食品添加物です。

ボツリヌス中毒の危険性と比較する亜硝酸Naを摂取することによる危険性は低いため、毎日過剰に食べなければ大人は特に問題はないと言われています。

ただ動物実験の段階ですが亜硝酸Naはニトロソアミン類という発がん性の物質が体内でできるという報告もあるため、妊婦さんや授乳中のお母さん、小さなお子さんに毎日食べるのは控えることをおすすめします。

またどんなに基準より少ない摂取量だとしても、人によっては少量で反応をしてしまう場合もありますので、注意が必要です。

ただハム・ソーセージ、タラコなど全部に亜硝酸Naを使用しているわけではありません。

一般の商品よりも多少値段が高いですが亜硝酸Na使用していない加工肉や魚卵なども販売されています。

「どうしても亜硝酸Naが危険だと心配してしまう」

「子供には少量でも食べさせたくない」

という方はそのような食品を購入するようにしましょう。



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