100%のジュースの容器の裏面を見ると名称に「濃縮還元ジュース」という表記と「ストレート」という表記に分かれているのをご存知でしょうか?
この2つはどのような違いがあるのか、栄養面に差はないのかなどについてお伝えします。
ジュースとソフトドリンクの違い
果汁100%ジュースの違いの前にまずはジュースとソフトドリンクの違いから説明します。
ジュースはJAS法により
「全体量に占める果汁割合が100%のもののみ」という規定になっています。
JAS法改正自体が昭和40年代に入ってからなので今でも飲み物全般をジュースと呼んでいる人が多いですが
例えば果汁10%の飲み物はジュースではなくソフトドリンクとなります。
つまりジュースといえば果汁100%のジュースのことを指すのです。
濃縮還元の果汁100%ジュースとは?
濃縮還元とは輸入コストを下げるために海外でしぼりとられた果汁から水分を飛ばして5分の1程度に濃縮したもので、タンカーで、日本に輸入されてきます。
濃縮した分だけ物資の総容量が減り、輸入コストを大幅に下げることができますし、長期保存も可能になります。
そして日本に入ってきたその濃縮原料に再び水を加えれば果汁100%ジュースに戻ります。
ただ濃縮還元する工程で水分を飛ばす際に香りが損なわれてしまいます。
そこで最後に香料を足して元の果汁に近づけたものが濃縮還元ジュースになるのです。
※オレンジジュースは香料がないものもありますが、リンゴジュースやグレープフルーツジュースなどは香料を使用している商品が多いです。
ファミレスなどのドリンクバーの果汁100%がいい例で、注ぐ際に水が一緒に出てきますが、あれは濃縮果汁をその場で薄めて濃縮還元ジュースを作っているのです。
香料は体には良くないものもありますが使用量も少ないですし、それほど気にすることはありません。
ストレートの果汁100%ジュースとは?
ストレートの果汁100%ジュースはしぼったそのままの果汁に近い商品です。
「近い」という意味はしぼったままの果汁をすぐに容器に入れるのではありません。
食中毒を避けるために加熱殺菌処理をしなければならないため「生っぽさ」が半減してしまいます。
やはり自宅で果物をしぼって飲んだ時の果汁100%ジュースにはおいしさの面ではかないません。
濃縮還元とストレートジュースの栄養面について
濃縮還元100%ジュースとストレートジュースで栄養面に違いがあるのか気になりますね。
昔の濃縮還元の製法で作った100%ジュースは栄養成分がほとんど抜けてしまったジュースもあったようです。
ですが最近は技術も進歩しているので大手メーカーの商品であればどちらもそれほど差はありません。
ただ、これらの加工品のジュースは食物繊維やビタミンC、ビタミンB群などの栄養成分に関しては減少する場合もあります。
一方でカルシウムやカリウムなどのミネラルや天然色素のカロテノイドなどは加熱しても減少しません。
また果物ではありませんがトマトジュースの抗酸化成分リコピンのように、加工品で摂る方が吸収率の良い栄養素もあります。
味に関しては加工することで多少落ちてしまうものの、栄養面はそれほど落ちてしまうということはないので、濃縮還元100%ジュースは飲んでも意味がないということはありません。
特にお子さんにコーラやサイダーを飲ませるのであれば、濃縮還元100%のジュースを飲ませるほうが健康に良いです。
まとめ
●濃縮還元は果汁の水分を飛ばして濃縮したもので種類によっては水に香料を足して元の果汁に近づけたもの
●ストレートはしぼったままの果汁ですが加熱殺菌処理をするので「生っぽさ」が失われる
●栄養面は加工することによって落ちる栄養素もあるが落ちないものもある
家で作る生絞りジュースが一番おいしいですし栄養価も高いですが、めんどくさいと思う人も多いと思います。
それであれば手軽に飲める加工品のジュースで十分に栄養は摂れます。
ぜひ健康のためにも果汁100%や野菜100%のジュースを飲みましょう。