普段牛肉といえば霜降りの柔らかい肉を連想されますが、最近「グラスフェッドビーフ(牧草牛)」が注目を集め始めています。
特に健康意識の高い海外の国では積極的に食されています。
このグラスフェッドビーフについて栄養価やほかの牛との違いなどご紹介していきます。
グラスフェッドビーフとは
自由に動き回れる環境でストレス無く、のびのびと放牧され、主に牧草や干し草で育てられている牛のことをいいます。
飼育方法や摂取している餌などでこう呼ばれています。
広い土地が必要ため主にニュージーランドやオーストラリアでこの飼育の方法を用いています。
特徴としては放牧されているため、よく運動をしているので、赤みの部分がとても締まっていて栄養価も高く低カロリーとなっています。
ただ、とても締まっているために日本人が好む“さし”の入った霜降りなどに比べると固いと感じるかもしれません。
日常よく口にしている牛肉は「グレインフェッドビーフ(穀物飼育牛)」と呼ばれ、主に牛舎で穀物肥育牛で、餌も、とうもろこしや大豆などを食べて脂肪をつけて蓄えさせているものです。
日本での分類の仕方
諸外国とは少し違っていて、餌で分類します。
- 「実や穂」などデンプンがメイン⇒グレインフェッド
- 「茎や葉」⇒グラスフェッド
と呼びます。これによって成分も違うために肉の味がまるで違うと言われています。
主な5つの特徴
日本人が不足がちな栄養素
オメガ3(必須脂肪酸)を多く含んでいるので、血液をサラサラにしたり抗炎症作用が注目されています。
またCLA(共和リノール酸)も含まれていて脂肪燃焼効果作用があり、血中コレステロール値を調整する働きや血糖値を健康なレベルにコントロールする効果があるといわれています。
ホルモン剤や、他の薬物などの心配がない
牛舎で飼育されているグレインフェッドビーフには病気の発生を抑え、成長率を高めるために、餌に抗生物質を混ぜます。
グラスフェッドビーフは、ホルモン剤に関しては必要に応じて投与することもありますが、それ以外の薬剤などは必要が無いと言われています。
抗酸化作用
カロテノイドやビタミンEなどの抗酸化作用をもつ物質が多く含まれているので生活習慣病の予防や美容にも良い作用が豊富にふくまれています。
鉄やたんぱく質が豊富
グレインフェッドビーフより約3倍もの鉄が含まれているといわれています。
これらは牧草にたくさんのたんぱく質やミネラルが含まれているためです。
たんぱく質が体内で足りていないと鉄分が作れなくなりますが、放牧で育てられているグラスフェッドビーフには豊富に含まれています。
サプリメントのような栄養素
グラスフェッドビーフには、美肌、美髪効果のある亜鉛や、老化防止の予防や免疫アップになるビタミン類、疲労回復に効果のあるタウリンなど、サプリメントのような豊富な栄養素がたくさん含まれています。
グラスフェッドビーフとグレインフェッドビーフ3つの違い
成長の早さと味が違う
日本で販売されている国産牛のほとんどは「穀物飼育牛」です。糖質が多くエネルギー分の多い飼料をあたえて飼育することでより早く成長して脂身が多く入った牛肉になります。放牧牛は、本来の牧草などを食べて育つのでカロリーやたんぱく質が少ないために成長は遅く脂身が少なくなり、すこし硬めの肉質になります。
コストが異なります
豊富な土地と豊かな自然を生かした地域での放牧であれば(オーストラリア、ニュージーランドなど)購入のコストなど低価格ですみますが、脂ののった穀物飼育牛の場合、飼料の配合や、いろいろな薬剤の投与などコストはかなりかかるといっていいでしょう。
栄養価が違う
それぞれの牛肉をおなじサイズを食べても栄養価はかなり異なります。
「CLA」は約2倍、「オメガ3脂肪酸」も約2~4倍、「ミネラルなど」約3倍グラスフェッドビーフのほうが豊富に含まれています。
グラスフェッドビーフのデメリット
土地が確保しにくい
牛1頭あたり1ヘクタール必要といわれています。国土が狭い日本では放牧が難しいのが現実です。
飼育に手間と時間を要します
子牛がうまれて出荷するまでに育つまでの年数が約5年かかります。また広大な牧場での放牧には整備も必要になるので手間もかかってしまいます。
日本人好みにはなっていない
グラスフェッドビーフは、日本人好みのサシの入った柔らかい肉質とはかなり異なります。赤身の部分が多くまた、固いため、まだまだ日本での流通は少ない状況です。
日本中を健康に導く「牧草牛」の名付け親、ドクター斎藤が厳選した【グラスフェッドビーフ】
まとめ
- グラスフェッドビーフは、ストレスフリーな環境で、牧草を主食として育った牛のこと。
- 肉質は締まっていて固めですが、栄養価が高く低カロリーな牛肉。
- 主な特徴は、日本人が不足がちな栄養素など様々入っているため食べるサプリメントの様です。またホルモン剤やほかの薬剤が入っていない点も安心要素となります。
- グラスフェッドビーフとグレインフェッドビーフの違いは「成長の早さ」、「コストの差」、「栄養価」です。
- グラスフェッドビーフのデメリットは「土地の確保」「飼育に手間と時間」「日本人の好みに遠い」ことです。
グラスフェッドビーフは栄養価や低カロリーなことを考えるとダイエットにもとてもよい健康食材です。
まだまだ日本では認知されにくいかと思いますが、栄養や薬剤の不使用などを考えると私はグラスフェッドビーフを食べたいです。
普段食べているものと違うなと感じるようであれば、調理時間や調理方法を変えてみるのも良いですよ。
あなたも健康を考えグラスフェッドビーフを試してみませんか?