RSウイルスはインフルエンザウイルスと比べると
知らない人もいるかもしれませんが、
冬から春にかけて流行する感染症です。
特に赤ちゃんには注意が必要なので
感染した場合はしっかりとした対応が必要です。
RSウイルスとは?その特徴について
RSウイルスのRSとは「Respiratory Syncytial」
=呼吸器の合胞体の略で、
つまり呼吸器系に感染するウイルスです。
生後1歳までに半数以上か、2歳までにほぼ100%の子供が
RSウイルスに1度はかかると言われています。
一度かかっても免疫が十分にできないので
何度もかかりますが、繰り返し感染しながら
徐々に免疫ができ、症状は軽くなるため
大人が感染した場合は軽い症状で済みますが
赤ちゃん(生後数週間~数か月間)に初感染すると
細気管支炎や肺炎といった重症化になる場合があります。
また低出生体重児や先天性心疾患、慢性肺疾患、
免疫不全などを持つハイリスク児は特に注意が必要です。
RSウイルスに感染した1歳未満の赤ちゃんは
インフルエンザに感染した場合よりも死亡数が多いという
データもあります。
大人は症状が軽いといって安心せず、
自宅に赤ちゃんがいる場合は特徴を理解して
注意しなければなりません。
RSウイルスの潜伏期間と症状について
感染してから発症するまでの潜伏期間は2~8日で
多くの場合は4~6日と言われています。
RSウイルスの一般的(約7割)な症状は
鼻水、頭痛、せき、発熱などといった
風邪の症状に似ています。
熱は38℃台が多く39℃以上になることはまれです。
そして注意が必要な
重症化した場合の症状は
呼吸が浅くなる
ゼーゼーする
タンがつまる
呼吸数が増える(1分間に60回)
眠れなくなる
さらに症状が悪化すると
細気管支炎
肺炎
そして生後1か月未満の場合は診断が
困難な場合があり生死につながる無呼吸発作にも
つながる恐れもあります。
RSウイルスの治療法について
RSウイルスは抗生物質が効かないので
対症療法になります。
特に赤ちゃんや子供は脱水症状を起こしやすく
タンが粘って吐き出すのが困難になるので
水分補給をしっかりとして、睡眠、栄養のある食事を与えて
安静にして経過をみることになります。
病院で診察した場合は
せきに関してはタンの切れを良くする薬や
気管支を広げる薬
鼻水に関してはアレルギーを抑える薬
食事がとれない、ミルクを飲まない場合は
点滴を打ちます。
また細菌感染の合併が疑われる場合は抗生剤を使用します。
入院が必要になるのは
脱水症状で水分(母乳など)が全くとれない、
またはオシッコが出ない
呼吸困難が強い(夜眠れない)
二次感染が重篤
といった場合です。
RSウイルスの感染経路や感染期間は?
RSウイルスの感染経路は咳やくしゃみで飛散したウイルスを
直接吸い込む飛沫感染と
鼻水やタンに含まれるRSウイルスが皮膚や
衣服、玩具、またそれに触れた手指から感染する
接触感染があります。
RSウイルスの感染期間は7日~21日と長いため
感染がひろがりやすいです。
熱が下がった、症状がおさまったといって
すぐにお子さんを外出させてはいけません。
特に小さいお子さんを多くお預かりしている保育園では
集団感染の可能性があるので注意してください。
まとめ
RSウイルスは例年12月から1月にかけてが
流行のピークですが
今年2015年は8月31日~9月6日までの週の全国患者報告で
3週連続で増加している為、今から注意が必要です。
またインフルエンザによる学級閉鎖も9月から全国各地で
見られます。
さらに今年は新型のノロウイルスが発見され
大流行する恐れがあるので
本当に大変ですが、手洗いとうがいをしっかりして
バランスの良い食事と規則正しい生活をしましょう。
また免疫を上げるとかかりにくくなったり
万が一かかったとしても症状が軽くて済むので
腸内環境を改善して免疫力をアップさせる
乳酸菌を含むヨーグルトなどを食べると効果的です。