クリスマスといえば、ツリーを飾って、テーブルにはチキンやケーキといったたくさんのお料理が並びますね。
でも、ふと疑問に思うのが、なぜクリスマスのお料理はチキンなのでしょうか?
お正月のおせちは、健康や長寿、繁栄を願う意味合いが込められていますが、チキンにもそのような意味があるのでしょうか。。。
この機会に調べてみましたので、今年のクリスマスに、チキンを食べながら家族や友人にウンチクを披露してみてください。
アメリカのクリスマスは七面鳥
アメリカでは、クリスマスに七面鳥を食べるのが一般的です。
その起源は中世のヨーロッパの人たちがアメリカを開拓しようとした時にあるという説が有力です。
元々、中世のヨーロッパではお祝いのときには豚や羊などを食べていたようです。
そんなヨーロッパ人たちがアメリカを開拓しようと移り住んだ時代、ヨーロッパ本土にいた時のように牛や豚などの家畜を自由に飼えない状況の中で、七面鳥をかわりに食べたと言われています。
当時のアメリカには七面鳥がたくさんいたとされ、鶏と比べるとサイズも大きい七面鳥は、人が多く集まるお祝いごとの席には、向いていたお料理だったのでしょう。
それ以降、お祝いの際に七面鳥をローストしたものをご馳走として出すのが主流になり、クリスマスに七面鳥を食べる習慣が一般的になったとされています。
そして、日本にもこの習慣が入ってきました。
当時の日本では
- 七面鳥が手に入らない
- 手に入っても値段が高価すぎた
- 七面鳥を1羽まるごとローストできる大きなオーブンが家庭になかった
七面鳥を食べる習慣は定着しなかったようですね。
では、なぜ七面鳥からチキンになったのでしょう。。。
チキンの背景に見えるビジネス戦略
日本で初めてのクリスマス
日本での初めてのクリスマスは、サンフランシスコザビエルが、山口県に黒船でやってきて1552年の12月24日に信徒を集めてミサを開いたのがはじまりと言われています。
当初は、豪華な食事やクリスマスツリーなどはありませんでした。
しかしながら、「織田信長と松永久秀がクリスマスに一時休戦した」という記録も残されていることから当時の日本においてもクリスマスが行われていたようです。
1612年になると徳川家康がキリスト教を禁教としたので、クリスマスも途絶えてしまいます。
クリスマスが復活
1873年には、禁教令が解かれクリスマスが復活します。
大正天皇が1926年12月25日に崩御したため、1948年に国民の祝日に関する法律が施行されるまで、12月25日は「大正天皇祭」として祝日となったのだ。この期間にクリスマスが定着したと考えられている。
やがて店先にツリー
1904年には、雑貨などの輸出入を行っていた銀座の明治屋が話題作りのため、店先にクリスマスツリーを飾ります。
このことが話題になり、一般的に広く知られるようになりました。
便乗するようにケーキも
ツリーに便乗するように、1910年には不二家がクリスマス用のデコレーションケーキを販売します。
ホテルではパーティも
その後、ホテルなどでもクリスマスパーティーが開催されるなどし、日本国内にクリスマスが広まっていきました。
当時、高度経済成長期であった日本にとって、クリスマスはビジネス戦略のひとつだったといえるかもしれません。
クリスマスにチキン
さて、日本でクリスマスにチキンを食べる風習ですが、ケンタッキーフライドチキンが日本に1号店を出店した1970年11月21日以降に始まるとKFCの公式ページには書かれています。
ケンタッキーフライドチキン第1号店とは
名古屋の名西店でした。
しかし、赤と白のストライプの店構えが理髪店に間違えられることも多かったとか。。。
また、当時の日本人には馴染みのないフライドチキンも売れず、わずか半年で閉店してしまします。
ケンタッキーが日本で成功したきっかけ
ケンタッキーが成功したきっかけを作ったのは、東京進出1号店の青山店でした。
あるクリスマスの時期に、外国人のお客さんが来店し、
「日本では七面鳥が手に入らないからケンタッキーのフライドチキンでクリスマスを祝おうと思う。サンタクロースの格好をしてデリバリーしてくれないか。」
と注文したといいます。
この出来事にヒントを得た青山店の営業マンが
「当社のフライドチキンを食べてクリスマスを祝うのを日本人にも広めていこう」
と思いつき、3年後の1974年からケンタッキーのクリスマスキャンペーンが始まることになるのです。
現在では、テレビでケンタッキーのCMをみると、今年もクリスマスの時期がきたなあと感じる方も多いのではないでしょうか。
やはり、バレンタインデーのチョコレートと同じように、チキンもクリスマス商戦の一貫だったというわけですね。。
七面鳥のあれこれ
イギリスやフランスなどヨーロッパでは、クリスマスにはチキン料理やガチョウ料理を食べる風習もあった中、ヨーロッパに七面鳥を持ち込んだのは、かの有名なコロンブス。
1492年にアメリカ大陸に渡った際に、ヨーロッパでは見かけない鳥をみつけ持ち帰ったのが最初と言われています。
七面鳥は、フランス語で「Dinde」といいますが、これは「De Inde(インドの)」という意味だそう。
アメリカ大陸をがインドだと勘違いしたコロンブスが、そのまま名前をつけてしまったという逸話もあるほど。
また、イギリスの小説家チャールズ・ディケンズが有名な著書「クリスマスキャロル」の中でクリスマスに七面鳥を食べる様子を書いたことも、フランスでクリスマスに七面鳥を食べるのが一般的になった理由のひとつとされています。
アメリカで七面鳥料理は「感謝」の現れであるとされ、クリスマスだけでなく感謝祭やお祝い事の食卓に並べられることが文化として根付いています。
七面鳥の味は?
そもそも七面鳥とはアメリカ・カナダ・メキシコに多く分布している鳥です。
日本名の七面鳥の由来は、頭部の皮膚が興奮すると赤、青、紫などに変化することから、七つの顔(面)を持つ様に見えるとついた名前です。
七面鳥は、高タンパクで低脂肪なため、味はチキン(鶏)に比べると、かなりアッサリしています。
鶏の胸肉よりも淡白で歯ごたえがあります。
他の国のクリスマス料理は?
イギリスでは七面鳥の他に、お祝いの席ではローストビーフがよく出されるそうです。
アメリカでも、実は七面鳥はクリスマスより感謝祭に欠かせないお料理なんだとか。
また、アメリカではクリスマスはケーキというよりパイを食べます。
北欧では、地域がらか肉よりも魚料理がメインとなっていることが多く、フィンランドでは、リーシプーロと呼ばれるミルク粥を食べて体を温めるんだそうです。
スウェーデンでは、ユールシンカという、豚モモ肉の塊を茹でて、卵黄やパン粉をつけてオーブンで焼いたお料理。
メキシコではトウモロコシの粉を練って、鶏肉やペースト状にした豆を包んで蒸したタマレスというお料理。
やはり国によって、クリスマスのお料理もいろいろですね。
海外では、クリスマスは年末年始と合わせて長期の休暇になっていることが多いためか、時間や手間がかかったお料理を作って過ごすクリスマスが恒例のようです。
まとめ
いかがでしたか?
それぞれの国でクリスマスに食べるお料理はそれぞれですが、世界共通なのは、クリスマスには大切な人と同じ時間を過ごし、すべてのことに感謝する日ということかもしれません。