テニスATPツアーの最終戦のツアーファイナルが11月11日(日)から、11月18日(日)の8日間にわたって行われます。
グランドスラム優勝者とランキング上位の8名しか出場が許されない至高の舞台です。
錦織選手もまだ正式には出場が決まっていませんが、上位のケガをしている選手を考慮すると、ほぼ出場が決定と言っても良いでしょう。
このツアーファイナルはグランドスラムの4大大会と比べると優勝賞金は低いのですが、かなりのVIP待遇が用意されています。
今回はツアーファイナルの超セレブな好待遇の内容や優勝賞金、そして過去3回出場した錦織選手の成績を紹介します。
ATPツアーファイナルのVIP待遇の中身とは?
ツアーファイナルが他の大会と違うのは破格の待遇です。
宿泊施設はもちろん5つ星の超高級ホテル「マリオット・ロンドン・カウンティホール」で食事も豪華メニューが準備されます。
出場する選手8人には高級ブランドのオーダーメイドスーツが仕立てられ会場や練習場、宿舎などの移動も専用車だけでなく、
専用の運転手も準備されています。(ちなみに専用車は900万円のベンツです)
通常のツアーですとロッカーは共用ですが、ツアーファイナルは専用のロッカー室があり、その扉には選手の写真が飾られています。
そのロッカー室の中は
- スポーツドリンクや水は飲み放題
- イギリスの寒さに備えて防寒具も用意
- 大きな高級ソファー
などが用意され、
錦織選手も
「昼寝ができて真っ暗にして自分の時間がもてるのは、他の大会にはないのでうれしい」と語っています。
また錦織選手が初めてツアーファイナルに出場した際には
これらの待遇にさすがの錦織選手も初めてツアーファイナルに出場した際には
「まるで大統領になったような気分だ!」
「ほかの大会とは雰囲気が全然違う」
「何もかもが特別な感じ」
と破格の待遇に感激の面持ちだったようです。
さらにすごいのが補欠選手の待遇です。
ツアーファイナルは選手8人を2組に分けて4人が総当りで対戦し、各組の上位2人が決勝トーナメントに進むシステムです。
つまり8人が出場しなければ大会が成り立ちません。
そのため主催者側は棄権選手が出た場合に備えて、出場権をあと一歩で逃した9位の選手を補欠として招集するのですが、キャンセルの選手が結局出場ができなかった場合でも
待機料としてなんと11万ドル(約1,200万円)が支払われます。
試合に出場せずただ待っているだけで約1,000万以上もらえるのですから、本当に出場するだけでも栄誉と言われる理由がわかりますね。
それでは大会前に行われたセレモニーの様子をご覧ください。
(4年前の2014年のものです)
大会前ですが皆さんとてもリラックスした表情ですね。
そしてツアーファイナルは出場する選手だけでなく観客も実はVIP気分を味わえます。
ツアーファイナルは観客もVIP待遇
ツアーファイナルではホスピタリティ付きチケットというのがあり、会場の専用ラウンジを利用することができます。
試合前に軽食やアルコールなどのドリンクをゆっくり味わうことができるのです。
ちなみにこのホスピタリティチケットは旅行会社HISで旅行企画があり、観戦席もLower Bowl 席(コートサイド又はベースライン)の指定席といったとても見やすい所を用意してくれます。
今年はもう無理ですが、来年是非計画してみてはいかがでしょうか?
会場のThe O2アリーナは屋内の施設で天候に左右されず快適な環境で観戦することができるので予定も立てやすいですね。
そして会場の演出にも工夫があります。
試合直前に場内は暗転し、スポットライトでコートが照らされます。
この演出は、ある心理的な効果を狙っています。
「客席の照明が消えて暗くなると、観客は”もうすぐ始まるから集中しよう”」と感じるそうです。
つまりテニスに集中することができて、ショーを見ているという感覚になります。
グランドスラム大会もですが、一度ツアーファイナルを見に行きたいですね。
ATPツアーファイナルの優勝賞金
他の大会では「優勝=全勝」ですが、ツアーファイナルは1試合ごとに賞金がもらえるため、全勝優勝とそうでない場合では賞金に差がでます。
これは全勝しなくても優勝する可能性があるためです。
8人を2つのグループに分けて、総当たり戦で上位2名が決勝トーナメントに進出できるため、2016年の錦織選手のように1勝2敗でも決勝トーナメントに進出して、そこから優勝すると全勝よりも賞金が下がります。
ATPツアーファイナルシングルの賞金とポイント
賞金 | ポイント | |
---|---|---|
全勝優勝 | 271.2万ドル | 1500 |
決勝勝利 | 128万ドル | 500 |
準決勝勝利 | 62万ドル | 400 |
ラウンドロビン1勝 | 20.3万ドル | 200 |
参加賞 | 20.3万ドル | |
補欠 | 11万ドル |
全勝優勝した場合は271.2万ドルで約3億円です。(1ドル112円で計算)
4大大会と比べると
- 全豪オープン400万豪ドル:約3億2千万円
- 全仏オープン210万ユーロ:約2億7千万円
- 全英オープン146万ユーロ:約3億3千万円
- 全米オープン380万ドル:約4億3千万円
※2018年11月1日の為替で計算しています。
為替の影響にもよりますが、全勝優勝すると4大大会の全仏よりも高い優勝賞金です。
優勝のポイントも1,500と4大大会で優勝の2,000ポイントよりは低いものの、かなりの高ポイントです。
優勝賞金とポイントがグランドスラム並みに高く、しかも8人しか出場できないとなると本当に選手が憧れる大会であると言えるでしょう。
錦織選手のツアーファイナル過去の成績
2014年の錦織選手のツアーファイナル成績
2014年の出場選手は
1位 ノバク・ジョコビッチ
2位 ロジャー・フェデラー
3位 ラファエル・ナダル(出場辞退)
4位 スタニスラス・ワウリンカ
5位 錦織圭
6位 アンディ・マレー
7位 トマーシュ・ベルディハ
8位 ミロシュ・ラオニッチ(ケガにより3試合目から欠場)
9位 マリン・チリッチ
10位 ダビド・フェレール(ラオニッチに代わり出場)
錦織選手の2014年は5位でツアーファイナルに初出場し、フェデラー、マレー、ラオニッチと同じグループとなりました。
ラウンドロビン(予選グループ)では
フェデラー選手に0-2(3-6、2-6)で敗れたものの、
マレー選手に2-0(6-4、6-4)とストレート勝ち、
ラオニッチ選手の代わりに出場した
フェレール選手にも2-1(4-6,6-4,6-1)で勝利して
通算2勝1敗で準決勝に進出しました。
この頃のマレー選手はケガから復帰して本調子ではなく、錦織選手よりランキングが下でした。
ただマレー選手の母国イギリスでの試合だったので錦織選手が勝つのは難しいと思ったのですが、ストレートでマレー選手を破るのは意外でしたね。
錦織選手はマレー選手に勝利するのがこの時初めてで、2勝目が2016年の全米オープン準々決勝です。
現在もマレー選手は本調子ではありませんが、また体調が万全になれば、また上位に戻ってくるでしょう。
そして準決勝ではジョコビッチ選手に1‐2(1-6,6-3,0‐6)で敗れてしまいました。
ですが、この大会で優勝したジョコビッチ選手に対してセットを奪ったのは錦織選手だけなので、初出場にしてはかなり健闘したと思います。
3セット目は0-6でしたが1ゲーム目を取っていたら勝っていたかもという試合でした。
2015年の錦織選手の成績
1位 ノバク・ジョコビッチ
2位 アンディ・マレー
3位 ロジャー・フェデラー
4位 スタニスラス・ワウリンカ
5位 ラファエル・ナダル
6位 トマーシュ・ベルディハ
7位 ダビド・フェレール
8位 錦織圭
錦織選手は8位とギリギリで出場を決めました。
ラウンドロビンではジョコビッチ選手、フェデラー選手、ベルディハ選手と同じグループで
ジョコビッチ選手に0-2(1-6.1-6)のストレート負け
ベルディハ選手には2-1(7-5、3-6、6-3)と勝利したものの、
フェデラー選手には1-2(5-7、6-4、4-6)で負けて
準決勝進出はなりませんでした。
2016年の錦織選手の成績
毎年思うけどATP TOUR FINALのこの写真かっこよすぎな😆😆😆😆 pic.twitter.com/UsuSrPU24v
— 芳賀陸雄 (@___rikuo0630) 2016年11月11日
一度出場するだけでも大変なツアーファイナルですが、錦織選手はなんと3年連続出場です。
1位 アンディ・マレー
2位 ノバク・ジョコビッチ
3位 スタン・ワウリンカ
4位 ミロシュ・ラオニッチ
5位 錦織圭
6位 ガエル・モンフィス
7位 マリン・チリッチ
8位 ドミニク・ティエム
ラウンドロビンではマレーとワウリンカ、チリッチと一緒でした。
最初の試合はワウリンカ選手に2-0(6-2、6-3)で勝利したものの、
マレー選手には1-2(7-6、4-6、4-6)の逆転負け、
チリッチ選手にも1-2(6-3、2-6、3-6)で逆転負けしました。
1勝2敗なので、決勝トーナメントに出場できないと思ったのですが、セットの獲得数でワウリンカ選手とチリッチ選手を上回り、なんとか2位で準決勝に進むことができました。
準決勝はジョコビッチ選手との対戦で0-2(1-6、1-6)と全くいいところがなく敗れてしまいました。
試合を見ているとかなり錦織選手が疲れているように感じましたが、この体で良く1年間頑張ったと思います。
昨年はケガもあって上位に残れず、出場はなりませんでしたが、今年2年ぶりにほぼ出場が決まりました。
ここ5年間で4度の出場って、あらためて錦織選手はスゴイと実感しました。
最近は調子も上げているので、ぜひ決勝トーナメントまで進んで欲しいですね。
錦織選手がフェデラー選手にストレート勝ち!
【ATPツアーファイナルズ🎾】#錦織圭 が #フェデラー に4年8カ月ぶりの勝利✨
ファイナルズを白星発進しました。🇯🇵錦織圭 2⃣➖0⃣ フェデラー🇨🇭https://t.co/4ImCjNOQlK#テニス #ATPFinals
(写真:アフロ、ロイター/アフロ) pic.twitter.com/J4T4g8AIzn— スポーツナビ (@sportsnavi) 2018年11月11日
今年のツアーファイナルのラウンドロビンの第1戦で錦織選手が7-6 (7-4), 6-3と2-0でフェデラー選手にストレート勝ちしました!
これでフェデラー選手への連敗を6で止め、4年8カ月ぶりの勝利でした。
今回はもしかするかもと思っていましたが、錦織選手はいろいろな動きを見せてかき回しているように見えました。
次はアンダーソン選手との対戦ですが、このままの勢いで決勝トーナメントに進出(できれば1位で)してほしいです!
まとめ
日本ではツアーファイナルは関心の薄い大会でしたが、錦織選手がこの大会に参加したことで、日本でも四大大会と同じくらい
注目されるようになりました。
昨年はケガでランキングを落としましたが、今年見事復活しました。
ただまだ今年は優勝をしていないので、最後の最後で優勝したらスゴイことになりそうですね。
今年最後の大会を是非応援しましょう。