野菜

最近は無農薬の野菜や果物が人気がありますが

普通にスーパーで売られている農作物には
大量の農薬が使用されているのをご存知でしょうか?

農薬は害虫や殺菌(病気から守る)、
そして除草を目的として使用されますが

使用基準を守っているから安全なのか
それとも農薬は少量でも危険なのかについて
紹介します。

農薬の使用の回数が驚くほど多いのはなぜ?

野菜や果物など農産物の栽培には

  1. 有機栽培(オーガニック栽培)
  2. 特別栽培
  3. 慣行栽培

この3種類があるのをご存知でしょうか?

1の「有機栽培農産物」はJAS法(日本農林規格)
基準が定められていて、

原則2年もしくは3年間以上
無農薬無化学肥料の土壌で栽培された
農産物です。

※数種類の特定の農薬と化学肥料などは
認められています

2の「特別栽培農産物」はJAS法ではなく
法的拘束力のないガイドラインで基準が
定められています。

化学合成農薬(使用回数)と化学肥料
(使用量)を両方共に慣行栽培の
5割以下にして栽培された農産物で、

各都道府県が認定することになっています。

慣行栽培農産物」は特別な基準のない
一般的な農産物です。

有機農産物はJAS法という法律で
決まっているので安心ではあるのですが

特別栽培農産物は名前が立派ではあるものの
都道府県がそれぞれ勝手に決めることが
できるので

ある作物の慣行栽培での農薬使用回数が
50回だとすると

特別栽培農産物の認証を受けるには
「使用回数は25回にしよう」と

勝手に都道府県の自治体で決めることができます。

これが他の県では30回や15回と
定めている農薬使用回数にバラつきが
あるのが問題です。

「でも農薬使用回数50回なんて
そんなに使わないでしょう?」

と思うかもしれませんね。

ですが調べてみたところ予想以上に
使用回数が多いので驚いてしまいました。

これは2006年のデータですが
最近美容や健康に良いと言われている

トマトの農薬使用回数を見ると

生産量が1位の熊本県の農薬使用回数は61回
2位の千葉では58回
3位の北海道で21回

とこれだけ違います。

10年以上前のデータだから
今はもっと少ないと思っているとしたら
間違いです。

2016年(平成28年)の熊本の
農薬使用回数は68回に増えています。

つまり現在もこれだけトマトを栽培するのに
これだけ農薬をまいているのです。

2006年の場合、特別栽培農産物の認証を
受けるには

熊本ならば30回ですが北海道は10回まで
しか使用できません。

というか北海道は普通に使用しても
熊本ならば特別栽培農産物の認定を
受けてしまいます。

もちろん気候の問題もあるのですが
他の農産物でも寒い、暑い地域に関係なく
農薬の使用回数が結構バラバラです。

※農薬の使用回数は散布回数ではなく

1度に3種類の農薬を混ぜて散布すれば
散布回数は1回ですが

3種類の農薬を使用しているので
使用回数としては3回と計算されます。

それにしても多すぎます!

これは野菜だけでなく果物や米、
お茶など多くの作物が

何十回と農薬が使われているわけです。

もちろん農薬を使用しないと
害虫の被害にあったり、病気にかかったり
する可能性があり、

農作物が育たなかったら農家さんの
収入が減るので

ある程度の農薬を使用することは
仕方がないかもしれません。

ですが各都道府県で基準が全く違うので
気候の面は多少考慮するとしても

トマトのように3倍も差がつくのは
おかしく感じるのは私だけでしょうか?

そしてこれらの使用した農薬が
残留農薬として慣行栽培や特別栽培の
農産物に含まれているのですが

このような農産物の残留農薬に
問題はないのでしょうか?

農産物の残留農薬は安全それとも危険?

農薬は使用(散布)された後、すぐに消えてしまう
わけではありません。

残留農薬とは「農薬を使用した後に
無くならずに農作物などに残った農薬
のことを言います。

農薬を使用した後に雨や風で飛散したり、
日光や微生物などにによって分解されたりして
減っていくわけです。

そして収穫前に消失せずにそのまま残った農薬が
残留農薬と言います。

「農作物に残った農薬を口にするのだから
やはり危険だ!」と思うかもしれませんね。

ですが残留農薬が人の健康に悪影響を与えないために
農薬を登録する際に安全性に関する
「残留基準」と「審査」が設けられています。

特に残留基準は農作物の種類ごとに設定されて

その理由は

1.残留濃度が同じでも、食事で「少量しか食べないもの」
「大量に食べるもの」では摂取量が違う。

2.下ごしらえや調理方法で残留農薬の落とせる割合が異なる。

ということが挙げられます。

ただ残留基準を決定するには
多くの時間と費用がかかるので
全ての農作物に残留基準は設けられておらず

指定されていない農作物の残留基準は0.01ppmです。

ppm」は「parts per millionの略で100万分の1
という意味です。

基準の0.01ppmとは
100トンの農作物に1gの農薬が含まれる

ということなので、

この数字を見るとかなり低い数値です。

また、2009年~2010年度に行なわれた
食品中の残留農薬などの1日摂取量調査では、

各食品群から47種類の農薬などが検出されました。

ただしこれらの農薬の量は

「一生涯に渡って毎日摂取しても、
健康に影響を与える恐れはない程度の量で、
安全上の問題はないと考えられる

という報告がされています。

このようなことから一般的には
農薬が残っている野菜などの農産物を
食べたとしても特に問題はないと言われています。

農薬中毒にかかる可能性は?

このように野菜には残留農薬の基準や
審査があり、

基準値を超えたものは販売禁止になることから

先程紹介したような都道府県によって
農薬を使用する回数が多い少ないという
差がある場合でも

残留農薬の基準を超えてはいないので
問題ないと言えます。

実際に主要流通拠点で全国60箇所以上ある
中央卸売市場では、

取り扱っている食品の衛生検査が
抜き打ちで実施されています。

厚生省が定める基準値を越えて
検出された場合、

廃棄、出荷停止などの処分になり
自治体のWebサイトなどで公表されて
しまいます。

では残留農薬が原因で実際に
農薬中毒」にかかる人はいるのでしょうか?

農薬中毒」とは農薬を多量に摂取することで
呼吸困難や吐き気、腹痛、運動の麻痺などの
神経症状が起きる病気です。

毎年農薬中毒が原因で死者も出ています。

ですが農薬中毒にかかる人は
基本的に農薬の製造に関わっている人

農作物に農薬を散布したりする人などが
ほとんどで

農産物の残留農薬が原因で農薬中毒に
かかることは基本ありません。

また、現在使用されている農薬は
水に溶けやすい性質で

尿として体外に排出されるので
残留農薬が体内に蓄積される
可能性も低いです。

以前は危険な農薬を使用していた
時期があったのですが

農薬の生物や環境への影響の大きさが
認識されるにつれて、

ここ数年の農薬取締法食品衛生法の改定
などにより、

生物や環境への負担が大きく体に蓄積しやすい
農薬は登録や更新、使用もできなくなってきています。

さらに農薬の中でも病害虫を防除する
殺虫剤や殺菌剤は、

農作物の表面だけに散布されるので
残留農薬は農作物の表面に残りやすい
という性質があり、

このような農薬は下ごしらえの
水洗い中に減ったり

皮をむくことで農薬のほとんどが取り除けます。

このように農薬は危険なのですが
●使用基準が決まっている

●その基準は一生涯に渡って毎日摂取しても
健康に影響を与える恐れはない程度の量

●危険な農薬の使用ができなくなっている

●現在の農薬は水に溶けやすくて
体外に排出されやすい

●水で洗ったり、皮をむくことで
農薬のほとんどが取り除ける

という理由から
残留農薬の危険性はかなり低いと
主張している人が多いです。

では残留農薬の危険性は全くないので
しょうか?



残留農薬の危険性について

残留農薬で懸念されることは

農薬が少量であれば安全というのは
動物実験での結果です。

人でこのような実験をするわけには
いかないので

人には少量でも危険かもしれないという
可能性はゼロではありません。

また、安全な食べ物でもアレルギーの
人にとってはごく少量でも
危険な場合があるように

危険な農薬が少量ならば全ての人に
安全とは言えません。

また「一生涯に渡って毎日摂取しても
健康に影響を与える恐れはない程度の量」
とはいえ

それは計算で出した数値であって

一度の摂取量が少なくても、
毎日のように長期間摂取していれば
毒性の影響を受けやすくなるかもしれません。

また農薬それぞれの危険性については
調査していますが

色々な野菜や果物を食べて、それぞれに
含まれる種類が違う農薬を

同時に摂取した場合に複合作用
悪影響が出る可能性も否定できません。

さらに今の化学でわからないだけで
将来安全だと言われているものが
いずれ危険になる可能性がある
という不安もあります。

確かに現時点では残留農薬の
危険性は極めて低いですし、

農薬を使用することで
害虫からの被害を防ぎ、

作物の病気が避けられるため
生産量が維持できるといった
利点もあります。

さらに残留農薬よりも作物につく
カビ毒の方が危険性が高いので

農薬=悪とは言い切れません。

ですが一方で無農薬で作物を
作っている農家もあります。

もし農薬の安全性が高く
残留農薬の心配も全くないのであれば

わさざわリスクが高く手間暇がかかる
無農薬の作物を作る必要があるのでしょうか?

やはり人体になんらかの影響を
与える可能性があるので

安全・安心な食べ物を提供したいと
思うからではないでしょうか?

また農薬や化学肥料を使用している土地は
土を健康にしてくれる土壌の微生物が
減ったり、

ミネラルなどの栄養素の量も昔と比べると
数分の1まで落ちていると言われています。

一方で無農薬はただ安全というだけでなく
農薬で作られた野菜よりも栄養素が豊富で
しかも味も美味しいです。

「今すぐ全ての無農薬の作物を
食べましょう。」とは言いませんが

作物の残留農薬は少しでも
落としてから食べることをおすすめします。

残留農薬の簡単な落とし方

有機農産物はほとんど農薬を
使用していないので残留農薬の
心配はありませんが

慣行栽培の作物はもちろんのこと
特別栽培とアピールしている作物でも

農薬は十分に使用していますので
残留農薬を落としてから食べるようにしましょう。

まずは簡単にできる残留農薬の
落とし方について紹介します。

●外側の葉や皮を取って捨てる
●水で30秒程度洗い流す
●スポンジでこすり洗いをする
●下ゆでをして、ゆでこぼす

これだけでもかなり残留農薬を
取り除くことができますが

どうしても残留農薬が気になるので
もっとしっかりと落としたいという方は

「やさいくだものあらい」という農薬や雑菌を取り除いてくれる専用水があります。

やさいくだものあらい」は天然成分100%なので、口に入っても安全です。

また野菜・果物だけでなく肉や魚を洗うこともできます。

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新鮮な野菜や果物、肉などはそのまま置いておくと数日で傷んだり黒ずんだりしますが、「やさいくだものあらい」で洗った食べ物は何もしないままのものよりも長持ちするのです。

これを使えば農薬を使っているだろうと思われる野菜や果物でも安心して食べることができます。

ぜひ一度試してみてくださいね。

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まとめ

作物の農薬の使用回数については
都道府県の基準が違うため
差が大きいのですが

現在残留農薬については基準が
決められていて、検査もあるので
摂取することによる農薬中毒の危険性は低いです。

ただ少量でも長期に摂取し続けた場合の危険性や
違う種類の農薬を同時に摂取した場合の危険性
などの問題、

また、将来新たな危険性が判明する可能性が
ないとは言い切れないので

残留農薬を簡単な方法で落としてから
食べるようにしましょう。

おすすめは「べジセーフ」です。

そしてどうしても農薬が気になる人は
有機栽培や無農薬栽培の農産物が

よく見かけるようになっていますので
そちらを選んで食べましょう。