塩といえば
「熱中症では水だけでなく塩分も大切」
ということで、
必要な食べ物だとわかっているものの、
摂り過ぎは「高血圧につながる」と
悪いイメージを持っている人も
多いのではないでしょうか?
ですが実は塩には種類があり、製造方法によって
「体に良い塩」と「体に害を与える塩」に
分けられます。
今回は塩の種類と効果や危険性、
そして正しい選び方について紹介します。
天然塩(自然塩)と精製塩(食塩)の違いについて
塩は大きく分けると天然塩(または自然塩)と
精製塩(または食塩)の2つの種類があります。
「でも、塩って海水から作るものだし、
そもそも天然のものだよね。。。」
っておもいますよね。
実は、その違いを知ることによって、
あなたの健康や美容に大きなメリットがあるのです。
天然塩と精製塩の違いを簡単に言うと
「天然塩」:一般的に海水を天日で乾燥するなど
昔ながらの製法によって作られた塩
「精製塩」:精製され塩化ナトリウムの含有率が高い塩
となります。
「天然塩(自然塩)」とは?
明確な定義はありませんが、一般的に「天然塩」は、
塩田を用いて海水を天日で乾燥するといった
昔ながらの製法によって作られた「塩」のことを
指す場合が多いです。
「自然塩」と呼ばれることもあります。
海水には約3.5%の塩分が含まれています。
その約3.5%の塩分のうち、
約80%が塩化ナトリウムで
20%がミネラル
(カルシウムやマグネシウム、カリウムなど)で
構成されていいます。
つまり天然塩(自然塩)は
約80%が塩化ナトリウム、約20%がミネラルでできています。
「精製塩(食塩)」とは?
天日塩を溶解して塩化ナトリウムの含有量を
99.5%以上に精製したもの。
精製とは不純物を取り除くことですが、
ゴミなどを取り除くならまだしも
ミネラルを取り除いてしまうので、
塩化ナトリウムの濃度がかなり上がってしまいます。
それも科学的な製法により大量生産されるので
本来は化学物質に近く「食品」と呼ぶには
ほど遠いものです。
また「食塩」と呼れるものは「精製塩」のことです。
天然塩・自然塩は健康に良い理由
天然塩を研究した報告によると
・不整脈を安定させる作用がある
・血圧の調整や血糖値のバランス維持に
大きな効果がある
とされています。
「塩が血圧に良いの?」と思うかもしれませんが
これは塩の中にナトリウム以外の
ミネラルも含まれているからです。
特にカリウムには体内の余分な
ナトリウムを排出して
血圧を正常に保つ働きがあります。
また豊富なカルシウムやミネラルは、
・骨や歯を丈夫にする
・基礎代謝を上げる
・免疫力を高める
・ホルモンの働きを助ける
などの健康効果も見込めるといわれています。
☆被爆者の治療に天然塩が使われた?
海水の天然塩には、デトックス効果があり、
実際、長崎で被爆した患者に天然塩を
たっぷりつけた玄米や、
味噌汁を飲ませる治療をおこなったところ、
原爆症の症状がでることなく生き延びたとのことです。
天然塩のデトックス効果は、体内に取り込んでしまった
農薬などの排出にも効果が期待できると言われています。
精製塩は健康に悪い理由
一方で精製塩はナトリウムがほぼ100%なので
他のミネラルの効果が期待できません。
一般的に、塩分は高血圧の原因になると言われていますね。
しかしこれは、天然塩(自然塩)ではなく、
食塩のような精製塩を取りすぎた場合の事なのです。
塩分が原因で高血圧になる場合、
血中の塩化ナトリウム濃度が上がることで
身体が水分を欲し、血液が増え、
血圧があがります。
そしてそれだけではなく、
高血圧の状態が続くことで
動脈硬化になりやすく、
さらには命の危険性がある心筋梗塞や脳梗塞などの
病気にもかかりやすくなります。
この状態を引き起こしやすいのは
精製塩なのです。
天然塩の場合、塩化ナトリウムの割合が
下がるだけでなく、
ほかに含まれるミネラル成分がうまく
バランスをとってくれるのです。
WHO(世界保健機関)では塩分の1日の
摂取量を5gに設定していますが
日本人は他の国と比べても摂取量が多いので
厚生労働省が
- 男性8g未満
- 女性7g 未満
という目標設定をしています。
ですがこれは精製塩(食塩)のことです。
天然塩であればもっと食べても
問題ありませんが
天然塩の目標摂取量は定まっていません。
ですが昔の人は
●梅干
●つけ物
●味噌汁
●ぬか漬け
●しょう油
●塩こうじ
といった塩分がたくさん入った
和食や調味料を現代の人たちよりも
たくさん食べていたので
塩分の摂取量も多かったはずです。
ですが実際は現代の方が昔の人よりも
高血圧が多いという結果は
何を意味するかわかりますね。
昔の人は天然塩(自然塩)を多く
食べていたので、
高血圧になる人が少なかったですが
現代人は精製塩を多くの加工品や
外食などで精製塩(食塩)を
たくさん摂るので高血圧に
かかりやすくなるのです。
加工品やレストランで
「天然の〇〇塩を使っています」
とアピールしているところ以外は
ほぼ100%精製塩(食塩)を使っています。
健康には良くないとはいえ、
価格が安いので原価を下げるためには
仕方がないことです。
ですが家庭でも食塩を使うとなると
本当に健康を損なう可能性が高くなります。
できれば家の中では本物の塩である
天然塩や自然塩を使うようにしましょう。
天然塩や自然塩の正しい選び方
ここまで読んで
「よ~し!天然塩を買うぞ~」と
思ってスーパーなどに行っても
天然塩や自然塩とパッケージに
書いてはいません。
以前、定義があいまいな時に
色々混乱を招いたため、使用ができなく
なってしまいました。
ではどのように見分けるのかというと
パッケージの裏に書いてある「原材料」の
部分を確認しましょう。
原材料名に
「海水」と書かれていれば「自然・天然塩」
「天日(海)塩」等と書かれていれば「精製塩・食塩」です。
ただCMでも有名な「伯方の塩」の
原材料を見ると
「天日海塩、海水」と書かれています。
天然塩と精製塩の両方の原料が書かれていますが
伯方の塩は「再生自然塩」または
「再生加工塩」といいます。
自然塩と加工塩って意味が違うような感じですが
なぜか塩の世界は表現があいまいですね。
伯方の塩はメキシコやオーストラリアの
天日塩田塩を瀬戸内海の海水で溶かして
加熱した塩で、
この時にミネラル分が失われて辛味が強くなるため
にがりやミネラルを加えて成分調整を行います。
ミネラルなどが含まれているため精製塩のように
塩化ナトリウムの濃度は高くはないものの、
後からにがりやミネラルを加えた塩なので
自然の塩というわけでもないので
精製塩と自然塩の中間の食べものと行った
ところでしょうか?
精製塩よりは体に良いと思いますが
やはり天然塩を食べてもらいたいです。
といっても天然塩も細かくわけると
3つに分けられます。
①天日塩(天日干しで作る)
②平釜塩(天日干しの途中から平釜で煮詰める)
③岩塩、湖塩
このうち岩塩はできるまでに時間がかかるのでミネラルが
あまりありません。
この中では①の天日塩が本来の塩のつくり方
です。
天日塩は海水から太陽や風により水分を
蒸発させて作る昔からある伝統的な製法です。
天日塩田には
●雨が少ない
●気温が高く湿度が低い
●丈夫な平らな土地
など、さまざまな条件が必要なため
今大きな天日塩田は日本にはほとんどなく、
海外ではメキシコやオーストラリアが
おもな生産地です。
おすすめの天然・自然塩
①「南の極み さらさら小粒」
南オーストラリアの海水だけを塩田に引き、
太陽と風の力にて18ヶ月かけてつくった自然塩です。
サラサラとしていて、大粒タイプもありますが
食べやすさはこちらの小粒タイプがおすすめです。
②
この塩はとても希少な「国産の天日塩」です。
伊豆大島で黒潮が運ぶ清麗な海水だけを原料に
生産しています。
ミネラルが豊富でとてもおいしい塩です。
つけ塩として使用したりお酒のおともにも
良い塩です。
まとめ
ゲーテは「人は自然から遠ざかるほど病身に近づく」と
言いましたが、まさに自然は医です。
大自然のもつ大海のエネルギーが含まれている天然塩こそ、
万病を治す原点と言えます。
ぜひこの機会に、日々のお料理に使うお塩を
天然塩に変えてみてはいかがでしょう。
あなたもより自然に寄り添うことで、
今よりも自分の健康に自信が持てるようになりますよ。