人工甘味料で有名なのはスクラロースアスパムテームなどがあります。

これらは2つとも危険性が議論されている成分です。

そして同様に最近よく使用されている食品添加物にアセスルファムK(カリウム)という甘味料があります。

スクラロースなどと同様に摂取量に気をつけた方が良いのかそれとも比較的安全な成分なのかについて紹介します。

アセスルファムKとはどんな添加物?

ビール

アセスルファムK(カリウム)は日本では2000年に認可された合成甘味料の中では新しい食品添加物です。

清涼飲料水やダエイット甘味料、飲料菓子類に使用されています。

ショ糖(砂糖)の約200倍の甘みがありアスパムテームよりも安くてコストが抑えられるとい特徴があります。

最近ではゼロカロリーやカロリーオフの飲料や食べ物に多く含まれています。

味も砂糖に近いのでとてもおいしく感じ、少し苦味がありますが、アスパムテームエリスリトールなどの甘味料と混ぜると苦味が緩和されて自然な甘みに近づきます。

最近のコーラゼロなどが以前と比べると美味しく感じるのはアセスルファムKの働きによるものです。

ただこのアセスルファムKは危険という意見もあれば安全という意見もあるのでそれぞれの視点で見ていきましょう。

アセスルファムKの危険性と副作用について

アセスルファムKが危険と言われる理由は製造過程で発がん性物質である塩化メチレン(ジクロロメタン)が溶媒として使われる場合があり、一部では塩化メチレンの残留を不安視する声が上がっています。

塩化メチレン
国際がん研究機関(IARC)の発がん性リスク評価でも、2014年にGroup2B(ヒトに対する発癌性が疑われる)からGroup2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある)に昇格された危険性が高い物質です。

塩化メチレンは体内で消化することができず残留してしまうので、毎回の摂取が微量であっても長期的に考えると
安全とは断言できません。

比較的新しい添加物ですのでまだ動物実験データはあまりないですが、

犬に0.3%、1%、3%アセスルファムKを含むえさを2年間食べさせた実験では

0.3%群リンパ球が減少し、3%群では肝臓障害の際に増えるGTPが増加したという結果が出ました。

動物の結果が人間に直接当てはまる訳ではありませんが塩化メチレンの問題と合わせてアセスルファムKは危険という意見が多いです。



アセスルファムKの安全性と使用基準

次に安全だと主張している理由を紹介します。

アセスルファムKは厚生労働省が認可しているということは安全性が確認されているからで動物実験の結果により使用しても良いと判断されました。

食品添加物には使用制限が無いものもありますがアセスルファムKには使用制限があります。

アセスルファムKの無毒性量は「1,500㎎(1.5g)/kg体重/日」と定められています。

無毒性量とは有害な影響が認められなかった最大の投与量のことです

たとえば体重60kgの人は毎日アセスルファムKを90g以上摂取すると体に悪影響を及ぼすかもしれないということです。

この無毒性量だけでなく更に安全を確保するために安全係数が定められており、

無毒性量に安全係数100で割ったものをADI値(一日摂取許容量)」と言います。

つまり無毒性量で定めた数量(1,500㎎)でも安全ですが、さらに安全性を考えてその100分の1程度なら一生毎日摂取しても大丈夫だろうとい数量です。

無毒性量÷安全係数=ADI値

1,500÷100=15mg/kg体重/日となります。(体重1kgあたり15mgまで

体重が60㎏の人であれば1日あたり900㎎のアセスルファムKを摂取しても大丈夫ということです。(体重50kgならば750㎎)

では商品ごとにどのくらいのアセスルファムKが含まれていることを知ることはできるのかというとほとんどのメーカーでは使用量を掲載していないのでわかりません。

そこで参考になるのが使用限度です。

アセスルファムK”の使用限度
●砂糖代替食品:15g/kg
●チューインガム:5.0g/kg
●生製菓及び菓子:2.5g/kg
●ジャム・アイスクリーム類:1.0g/kg
●酒、清涼飲料水、乳飲料は0.5g/kg
●その他の食品は0.35g/kg

砂糖代替食品とはコーヒー、紅茶等に直接加え砂糖の代替として用いられるもの

1.5ℓのコーラゼロを飲んだ場合は最大にアセスルファムKが入っていると仮定して1.5ℓ×0.5g=750㎎なので体重が60kgの人のADIと同じ量になります。

全ての商品がスクラロースの使用限度いっぱいまで使用しているわけではありません。

また、ADIはこれ以上摂取しなければ大丈夫という無毒性量のさらに100分1の安全係数をかけて出した数量です。

そしてADIは一生毎日摂取しても大丈夫な数量ということで多少ADI値を上回っても問題ありません。

このようにアセスルファムKが含まれている食品をたくさん食べてもなかなかADI値まで届きませんし

たとえ数日連続で数値を超えたとしても体に影響はありません。

このような理由でアセスルファムKを摂取しても問題ないと主張している人も多いです。




アセスルファムKは摂取しても本当に大丈夫?

このようなアセスルファムKの否定派と肯定派の意見どちらが正しいと思いますか?

よく塩だって大量に食べれば害になると言う人もいますね。

ですが塩は体に必要なものですし、不足すると過剰摂取と同様に身体に不調を訴えます。

一方でアセスルファムKは身体に必要な成分ではありませんし、塩のように味がないので知らないうちにたくさん摂取している可能性もあります。

またアセスルファムKは同じ危険性が指摘されている人口甘味料のスクラロースやアスパムテームと一緒に含まれている商品が多いですが、これらの成分を同時摂取した場合の安全性はわかっていません。

単一成分での研究結果もまだはっきりしていない部分もあるのに、同時摂取が安全なのかわからない状態で本当に安全なのでしょうか?

現在カロリーオフやカロリーゼロ、そして特保の商品を見るとこれらの成分が使われていることが多いです。

何も知らない人は特保だから身体に良いと思って飲むのですから、よけいにやっかいです。

私はできるだけ摂らないように気をつけていますし、子どもたちにも飲ませないようにしています。

まとめ

アセスルファムKは危険を訴える人と安全性を主張する人両方いますが、まだ認可されてから17年程度しか経っていないので長期に渡って人体にどのような影響があるのかわかりません。

また発がん性の塩化メチレンがどれくらい含まれているかもはっきりしません。

多少の摂取は問題ないと思うもののカロリーがゼロだからといって夏にアセスルファムKなどの添加物が入っているコーラゼロなどを大量に飲むのはやめましょう。

それならば普通のコーラをいつもの半分に減らして飲む方がまだましなのでは?と思ってしまいます。

スクラロースやアスパムテーム同様にあまり積極的には摂りなくない食品添加物です。