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人工甘味料のスクラロースは他のアスパムテームアセスルファムKと比べて一番最近に認可された新しい添加物です。

カロリーオフやカロリーゼロのダイエット飲料やガム、ドレッシング、デザートなど多くの加工食品に使用されています。

このスクラロースも他の人工甘味料と同様に「危険だ」「安全だ」と意見が分かれていますがどのような理由からなのでしょうか?

スクラロースとは?その危険性や副作用について

スクラロースは1999年に認可された添加物で砂糖の600倍の甘みがあり使用量が少なくてよいため、ダイエット甘味料として多くの加工食品に使用されています。

このスクラロースは「新しい農薬」を開発中に偶然発見された添加物でショ糖(砂糖)の3つの水酸基を塩素に置き換えて作ります。

ショ糖は有機化合物でそれに塩素が結合しているのでスクラロースは有機塩素化合物(オルガノクロライド)になります。

オルガノクロライドは自然界にはほとんど存在せず、広く知られているものとして

  • 農薬のDDT(毒性が強い農薬)
  • 環境ホルモンのPCB(ポリ塩化ビフェニル)
  • 猛毒のダイオキシン

などがあります。

厚生労働省が食品添加物として認可したオルガノクロライドはスクラロースが初めてでしかも唯一のものです。

もちろん厚生労働省も安全性が認められたため使用を許可したのでダイオキシンなどと同様に危険というわけでは
ありません。

ただスクラロースが毒性の強い化学物質と同じ有機塩素化合物というのは気になります。



スクラロースは新しい添加物でデータが少ない

スクラロースは比較的新しい食品添加物のため今のところはラット(うさぎ)の動物実験のデータがほとんどです。

スクラロースの実験結果での悪影響

  • 成長の遅れ
  • 赤血球の減少
  • 甲状腺の働きの衰え
  • マグネシウムとリンの欠乏
  • 肝臓・脳の肥大
  • 卵巣収縮
  • 脳腫瘍の増加
  • リンパ腫を起こす
  • 白血病を起こす
  • 白内障を起こす

などの異常が見られました。

また妊娠したウサギに体重1kgあたり0.7gのスクラロースを強制的に食べさせた実験では親ウサギが下痢を起こしそれにともなう体重減少があり死亡流産が一部で見られたという結果もあります。

また、スクラロースは非常に分解されにくい化学物質で人間の体内にとりこまれた場合全身に回ってホルモンや免疫システムを乱す心配があるとも言われています。

こののように

  • 動物実験結果
  • 危険なものが多い有機塩素化合物の一種
  • スクラロールの分解されにくい性質

という理由で「スクラロールは危険だ!」と主張する人もいます。

スクラロースの安全性と使用基準

一方でスクラロースを安全と主張する人も多くいて

こちらも動物実験で出た結果を見て判断しています。

実際に厚生省のホームページには動物実験の結果が載っています。

スクラロースの無毒性量「1,500㎎(1.5g)/kg体重/日」と定められています。

無毒性量とは有害な影響が認められなかった最大の投与量のことです

つまり毎日スクラロースを1.5g摂取すると体に悪影響を及ぼすかもしれないということです。

この無毒性量だけでなく更に安全を確保するために安全係数が定められており

無毒性量に安全係数100で割ったものをADI値(一日摂取許容量)」と言います。

つまり無毒性量で定めた数量でも安全ですがさらに安全性を考えてその100分の1程度なら一生毎日摂取しても大丈夫だろうという数量です。

無毒性量÷安全係数=ADI値

1,500÷100=15mg/kg体重/日となります。(体重1kgあたり15mgまでなら大丈夫)

体重が60㎏の人であれば1日あたり900㎎を摂取しても大丈夫となります。(体重50kgならば750㎎)

ダイエット・カロリーオフの飲料などの加工食品に含まれるスクラロースの量は?

ADI値より少ない摂取量であれば安全とはいえ、加工食品やダイエット食品、飲料などにどれくらいスクラロースが含まれているかわかりません。

例えばコーラゼロを販売しているコカ・コーラのホームページを見てもスクラロースが使用されているのはわかっても含有量まではわかりません。

そこで判断するのは使用限度です。

スクラロースの使用限度
●砂糖代替食品:12g/kg
●チューインガム:2.6g/kg
●生製菓及び菓子:1.8g/kg
●ジャム:1.0g/kg
●酒、清涼飲料水、乳飲料は0.4g/kg
●その他の食品は0.58g/kg

※砂糖代替食品とはコーヒー、紅茶等に直接加え砂糖の代替として用いられるもの

体重が60kgの人のADIは900mgですがお菓子であれば1日0.5㎏(500g)食べても大丈夫ですし、(お菓子を500g食べるとスクラロースではなく糖分の摂り過ぎの方が危険ですが)

2.0ℓのペットボトルの清涼飲料水を飲んだ場合は2.0ℓ×0.4g=800mgなのでこれも許容範囲内です。

体重50㎏の人のADIは750㎎なので許容量超えていると思うかもしれませんがスクラロースは砂糖の600倍の甘みがあるのでその分少量でも十分に甘みを感じることができます。

そのため必ずしも加工食品がスクラロースの使用限度量いっぱいまで使用しているとは限らないので2.0ℓの清涼飲料水に必ずしも上限の800㎎までスクラロースが入っているわけではありません。

またADIはこれ以上摂取しなければ大丈夫という無毒性量のさらに100分1の安全係数をかけて出した数量です。

そしてADIは一生毎日摂取しても大丈夫な数量ということで多少ADI値を上回っても問題ありません。

このようにスクラロースが含まれている食品をたくさん食べてもなかなかADI値まで届かないし「たとえ数日連続で数値を超えたとしても体に影響はありません。」という指標です。

また動物実験で色々な体に悪影響が出たのでスクラロースは危険という意見に対しては、

それらの実験は過剰にウサギに投与した結果で許容範囲内で投与した動物実験では危険性は出なかったとして、米国食品医薬品局(FDA)厚生労働省などが許可をしています。

過剰摂取が体に悪いのは砂糖や塩も同様で許容範囲内であれば全く危険性はないというのがスクラロースは安全であると主張している人達の意見です。




スクラロースの懸念点

スクラロースが危険という人は

  • 危険な物質が多いオルガノクロライドの仲間
  • 動物実験での体への悪影響

スクラロースが安全という人は

  • ADI値以下であれば問題ない
  • 許容範囲内の動物実験では異常は見られなかった
  • 砂糖や塩も過剰摂取すれば危険

という意見で分かれています。

ただもう一つの問題があり、スクラロースを使用している加工食品は同じ人工甘味料であるアスパムテーム
アセスルファムK、他の危険が疑われている添加物などが含まれている場合があります。

それらの添加物が1種類の場合は安全なのかもしれませんが、同時に摂取することでの安全性はわかっていません。

さらにスクラロースは認可されてからまだ20年程度で動物実験のデータしかありませんし人体の影響がはっきりしていません。

食品の原料や添加物は認可されてもその後禁止になったり、再認可されたりとその時々で状況が変わることが実際に多くありました。

もちろん実際には微量しか使用していないのですぐに影響が出るとは思いませんが私はスクラロースが有機塩素化合物というのがとてもひっかかります。

塩素=体に悪いというイメージがあり、スクラロースやアセスルファムKを含むコーラゼロを飲むならば糖分は多いものの、普通のコーラを飲んだ方が良いと思うようになりました。

もちろんコーラが体に良いわけではないです。

糖分を毎日たくさん摂っている人には普通のコーラの方が害がある場合もあります。

500㎖のペットボトル全部飲むのではなく、半分にするなど量を調節しよう思います。

では特保のコーラであれば安心なのでしょうか?

特保と承認されるのには、かなりの厳しい審査を通らないと無理なため安心と思いたいところですが、

  • スクラロース
  • アスパムテーム
  • アセスルファムK

この3つの人工甘味料が全て入っています。

それぞれが基準を守って微量にしか含まれないので問題ないとは思いますが、だからといって本当に特保飲料(=健康に良い飲み物)として販売して良いのでしょうか?

それに人口甘味料のそれぞれの含有量は基準範囲内の使用量でも3つ合わせればどれだけの量になるのでしょうか?

また小さいうちから子どもに特保だからといって特保のコーラを飲ませるのも避けた方が良いと思います。

そして特にダイエットや健康に気をつけている人はカロリーゼロやカロリーオフなどの商品を選ぶ傾向にありますが

そのような商品は必ずスクラロースなどの人工甘味料が使われているので摂り過ぎには注意してください。

まとめ

現在人工の合成甘味料の実験は色々と行われているようですので今後近いうちに、

「微量でも体に悪い」「許容摂取量の訂正」、あるいは「安全な食品添加物」と発表されるかもしれません。

それまではたとえADI値以内なら安全とはいえあまり積極的には摂取したくない成分です。

加工食品の裏面に書いてある成分表を見ると最近の商品に多くの人工甘味料を使用していますので食べ過ぎは注意しましょう。