さくらんぼといえば、かわいくて美味しいフルーツの代表ともいえますね。
でも、実は栄養価も高く、手軽に嬉しい効能が得られる、実力を兼ね備えたフルーツでもあるのです。

これから訪れるさくらんぼの季節をより一層楽しむために、さくらんぼの知識を深める機会にしていただけたら幸いです。

さくらんぼの名前の由来とは

さくらんぼは、

桜の子=坊「さくらのぼう」➟「さくらんぼう」
となり、『さくらんぼ』と呼ばれるようになったと云われています。
見た目同様、名前の由来もかわいいですね。

さくらんぼの種類とは

さくらんぼといえば、佐藤錦を思い浮かべますよね。
実は、さくらんぼの種類は全世界で1000種を超えるとも言われています。
佐藤錦以外にも、日本でポピュラーなものがあるのでご紹介します。

佐藤錦(さとうにしき)

赤いルビーと呼ばれる佐藤錦(さとうにしき)は日本を代表する品種。
ナポレオンと黄玉の交配種で、山形の佐藤栄助氏により誕生し、1914年に命名・品種登録されています。
見た目の綺麗さ、酸味と甘みの絶妙なバランスで人気が高いです。

高砂(たかさご)

アメリカ原産で、ロックポート・ピカロや伊藤錦ともいわれます。
ジューシーで、ほど良い酸味と甘みがあり、人気の品種です。
佐藤錦(さとうにしき)よりもやや早くに店頭に並びます。

豊錦(ゆたかにしき)

偶然発見され、1986年に品種登録されています。
持った感触・食感が、とても柔らかく、酸味が少なくて甘みを強く感じる品種です。
早生種なので、5月下旬には旬を迎えます。

紅秀峰(べにしゅうほう)

佐藤錦と天香錦の交配種で、1991年に登録されています。
佐藤錦より一回り大きく、 果肉はクリーム色でやや硬めのため、比較的日持ちが良いとされています。
甘味が強く酸味はひかえめ、濃厚な味わいで人気の品種です。

月山錦(がっさんにしき)

一粒が9g前後と大粒で、果皮は艶のある黄色をしています。
しっかりとした果肉で、酸味が少なく甘さが強く感じられる味です。
中国から入ってきた品種で、国内での生産量がは少なく希少価値が高く、高級な果実として贈答品などに人気があります。

ビング

ビング(Bing)は代表的なアメリカンチェリー。
大きく丸みがあり、濃い赤紫色が特徴的です。果汁も濃紫色になっていて、酸味より甘味が強い品種です。
※アメリカンチェリーは、輸入されているサクランボの総称です。

嬉しいさくらぼに含まれているたくさんの栄養成分

さくらんぼに含まれる栄養素の特徴として、鉄とカリウムの含有量がフルーツの中ではトップクラスだということです。
鉄分は、よく知られているとおり貧血改善に必要な栄養素ですね。
実は、その他にも身体のなかでは、いろいろな役割を果たしています。

  • イライラや憂鬱な気分の改善
  • 運動機能の低下を抑制
  • 理解力や判断力をつかさどる認知機能の低下の抑制

またカリウムは、 体内の過剰なナトリウムを汗や尿とともに、体外へ排出する働きがあります。
昔からアメリカでは、膀胱炎や尿道炎をはじめとする泌尿器系疾患に効果があることで知られ、先住民の生薬として使用されていました。

この他、ブドウ糖(糖質)、ビタミンA、ビタミンC、リン、カルシウム、カリウム、カロテン、ビタミンB1、B2、葉酸などのミネラルやビタミンに加え、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、などの有機酸、ポリフェノールの一種であるアントシアニンなども含まれ、バランスのよい食材といえますね。

葉酸は、造血や発育に欠かせないビタミンとされ、妊婦さんが積極的にとるべき栄養素といわれてきましたが、最近の研究で葉酸には、血管を若返らせる作用があることがわかってきました。
その結果、動脈硬化や心筋梗塞、アルツハイマー病の発生率が下がるのではと期待され、とても注目されている成分です。
すでにアメリカでは、葉酸を配合したシリアルが一般的に食されています。

葉酸は、水に溶けやすい性質のため、そのまま食べることができるさくらんぼは効率良く葉酸がとれる食材のひとつといえますね。

さくらんぼの効能

高血圧予防・利尿作用

昔から、効果が期待できるとされているのは高血圧の予防です。
さくらんぼに含まれるカリウムが、体内にある過剰なナトリウムを体外に排出してくれることにより、高血圧を改善・予防してくれると考えられています。

また、利尿作用のあるアスパラギン酸も含まれるため、顔や足のむくみの解消、慢性腎臓炎を抑える効能も期待できます。
実は、さくらんぼの軸(茎)には、慢性腎臓炎を和らげる栄養成分が多く含まれているため、乾燥させてお茶として飲むのも良いようです。
トルコでは、昔からむくみや美肌によいとされ若い女性に親しまれてきたとか。
さくらのほのかな香りがするそうですよ。

疲労回復

さくらんぼに含まれるアスパラギン酸や、リンゴ酸・クエン酸などの酸味成分(有機酸)、ブドウ糖には、素早くエネルギー源となったり、エネルギー代謝を活発にして乳酸を分解、エネルギーに変換してくれる働きがあるため、スムーズな疲労回復が期待できます。

また、三大栄養素の代謝を促してエネルギーをつくるビタミンB群、疲労回復に役立つ鉄やカルニチンなどの栄養の吸収を高めてくれるビタミンCも含まれているため、相乗効果により疲労回復の効果が期待できます。

虫歯の予防に

最近のアメリカの研究では、アメリカンチェリーに含まれる抗酸化物質アントシアニンの作用より、歯石形成を促す酵素の働きを抑制し、虫歯を予防する効果が期待できると報告されています。
またさくらんぼには、ソルビトールという糖アルコールの一種が含まれています。
このソルビトールは、虫歯の原因となる菌の餌にはならないため、虫歯予防になると考えられています。

女性に嬉しいさまざまな効能 貧血予防・冷え性改善・美肌

さくらんぼには、鉄分や葉酸とともに銅も含まれています。
銅は、 鉄の利用を促す作用があるため、一緒に摂取することで高い効能が期待できます。
鉄や葉酸には、貧血の予防や冷え症の改善などに効果があります。
また、リンゴ酸やクエン酸には、血行を促す働きがあります。
β-カロテンやビタミンCなどの抗酸化作用やアンチエイジング、美肌効果も期待できます。

目の疲れ

さくらんぼに含まれる抗酸化物質アントシアニンは、視覚情報を伝えるロドプシンの再合成を促進させる作用があるといわれています。
このため、目のかすみなど、眼精疲労の改善に効果が期待できます。

まとめ

ルビーと称されるさくらんぼは、本物の宝石と同じように女性を美しくがやかせててくれるのかもしれませんね。
フレッシュなさくらんぼの時期はまだ少し先ですが、今から待ち遠しい限りです。