「平成」の終焉まで1年を切りましたがあなたは、どんな「平成」の時代を過ごされてきましたか?
天皇の生前での譲位は、じつに202年ぶりとなるそうですね。

そして、寺院と天皇との関わりには、じつは深い歴史があります。
この機会に、天皇という窓枠から寺院を覗きみることで、新しい時代を自分なりの見つめ方で始めることができるかもしれませんね。

ここでは、創建当時より皇室との結びつきが強い寺院である、京都の仁和寺(にんなじ)をご紹介したいと思います。

仁和寺とはどんなお寺?その魅力について

京都市右京区御室、きぬかけの路沿いにある寺院で、真言宗御室派の総本山です。
平安時代に創建された仁和寺は、現在まで千年以上の歴史があります。

886年に光孝(こうこう)天皇により建立が始まりましたが、寺院の完成を待たずに崩御されてしまったために、次代の宇多(うだ)天皇が寺院建立を引き継ぎ888年に完成しました。

宇多天皇は897年に譲位して出家され、その後に法王となり仁和寺の1世住職を務めました。
宇多法王がお住まいになったことから御室御所(おむろごしょ)とも呼ばれ、御室桜と呼ばれる桜の名所としても知られています。

明治時代までは、皇族が代々の住職を務めていたため、門跡寺院の代表格となっていました。
また、寺格の高い門跡寺院であることから、昔から文化の発信地でもあり、1994年(平成6年)には世界遺産にも指定されています。

二王像

京都では珍しい道路に面した門の左右に安置されているのは、阿吽(あうん)の呼吸をする二王像です。
通常は仁王と表記しますが、仁和寺では二王と表記します。

二王門

京都3大門は、知恩院の三門(山門)、南禅寺の三門、仁和寺の仁王門とされ、同時代に建立されましたが、二寺の門が禅宗様式なのに対して二王門は平安時代の様式が受け継がれた和様となっていて、現在重要文化財に指定されています。

金堂

安土桃山時代に造られた御所の紫宸殿(ししんでん)を江戸時代初期に仁和寺へと移築したものです。
現存する最古の紫宸殿であり、現在は国宝に指定されています。

宸殿とは天皇ゆかりの建物であり、高貴な人をもてなす建物で、「紫」は最も高貴な人を象徴する色ともいわれます。
紫宸殿は、大きな儀式が執り行われた最高位の正殿のことを言います。

御影堂

金堂と同じように安土桃山時代に造られた建物で、現在は重要文化財に指定されています。
御所にあった内裏、清涼殿(せいりょうでん)の一部を移築し仏堂としたものです。

内部には、弘法大師像や、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像が安置されています。

広大な境内には他にも、重要文化財の「五重塔」「観音堂」や、御殿内の「遼廓亭」「飛濤亭」などがあります。

プチ情報
仁和寺は、皇族や貴族とのゆかりが深かったため「仁和寺御殿」と言われる御所風建築物が特長です。
そのため、境内は、通常の寺院とは違った雰囲気となっています。

「室」は僧坊を意味し、御殿風の建造物は、法皇が御座する室の意味から、御室(おむろ)と呼ばれました。

後に「御室」という言葉は代々の門跡を指し示す言葉となり、やがて仁和寺の別称や仁和寺が建つ地名にもなっていきます。

あの、グローバル企業となったOMRON(オムロン)の社名は、ここ御室(おむろ)が発祥である事に由来しているそうですよ。

仁和寺の桜の見ごろと特徴について

仁和寺の桜は、御室桜(おむろざくら)と呼ばれ、京都の名勝のひとつとしても有名です。
御室桜は遅咲きで、毎年4月下旬から5月上旬に見頃を迎えます。

江戸時代中期から多くの人々に親しまれ、数々の和歌にも詠まれています。
そのような歴史から、1924年(大正13年)には国の名勝に指定されました。
また、御室桜の特徴は、背が低く、大人の背丈ほどしかありません。
そのため、間近で桜の花を愛でることができるのも仁和寺の魅力のひとつといえます。

御室桜以外にも境内にはしだれ桜やソメイヨシノなどの桜が植えられており、これらの見頃は4月の上旬から中旬です。
桜の時期だけは、境内に入るために特別拝観料が必要になります。

特別拝観料
(伽藍特別入山)
個人 団体
(30名以上)
大人(高校生以上) 500円 450円
子供(小学生以上) 200円 180円

桜のシーズンは中門の内側、境内【伽藍(がらん)】は有料となります。
期間は桜の開花状況により不定期となっていますので公式ホームページ公式Twitterをご確認ください。


仁和寺は紅葉も魅力

実は、仁和寺の境内は、美しい紅葉が見られることも魅力となっています。
中でも、中門から金堂へ続く参道脇の紅葉は見事で、いつまでも眺めていたくなります。
仁和寺の紅葉は、桜に比べると知名度が低いため、見頃を迎えても比較的ゆっくりと楽しむことができる穴場となっています。
特に、平日の午前中は、色づく美しい秋の景色を独り占めできる可能性が高いのでおすすめですね。

御室流の家元

仁和寺は、一世宇多法皇から続く華道、御室流の家元でもあります。
そのため、毎年5月には大規模な華道展が開かれています。
御殿で開かれる華道展は、時代をタイムスリップしたような独特の風情があり、華道をよく知らない方でも楽しめますよ。
華道とは、美しい景色の一部を切り取り、部屋の中でも自然の美しさを楽しめるようにしたもの。
展示会の期間中に境内を訪れると、自然が作りだした雄大な美と、人が自然を再現した美を対比しながら楽しむことができます。

その他にも、宸殿南庭、北庭のふたつの庭園もありますので、ぜひ足を運んでみてください。

仁和寺の縁結びで人気のお守り

映画「僕の初恋をキミに捧ぐ」に登場する、通称「四葉のクローバー守り」と呼ばれる縁結びのお守りが人気です。
原作者の青木琴美さんと仁和寺がコラボしてできた縁結びのお守りだそうで、紫色とピンク色の2色から選べます。
本物の四葉のクローバーを使用してるのも、とてもめずらしくご利益がありそうですね。

仁和寺八十八ヶ所ウォーク

仁和寺では、八十八ヶ所の堂舎を巡りながら、成就山をウォーキングするイベントが夏場から秋にかけて開催されています。
このイベントでは、配布されるスタンプ帳に、各堂舎に設置されているスタンプを押印しながら八十八ヶ所の堂舎を巡っていきます。
距離は約3キロで、仁和寺の西門から出て成就山へ登り、再び西門へ帰ってくる巡礼コースです。
参加費300円がかかりますが、スタンプ帳と交換に記念品がもらえます。

この巡礼コースは、1827年に仁和寺の敷地内にある成就山に造られた御室八十八ヶ所霊場です。
29世住職の済仁(さいにん)入道親王が、四国八十八ヶ所霊場に巡礼できない人々のために造らせたものといわれています。
当時、仁和寺の寺侍であった久富遠江守に四国の霊場を周らせ、持ち帰らせた各霊場の砂を埋めた上にお堂を建てています。
お堂は八十八個あり、それぞれに祀られているのは各霊場の本尊と弘法大師像です。
ミニ八十八ヶ所巡りができる場所として、今でも参拝者がたくさん訪れています。

世界遺産で過ごす一夜

仁和寺には御室会館という宿坊があります。
門限が23時厳守ということ以外は、通常の旅館と同じように利用できます。
宿坊への宿泊者特典として駐車場無料、拝観料無料(御殿、霊寶館、桜祭り)があります。
※なお霊寶館、桜祭りは開催中の時のみです。

でも、一番の特典と言ってもいいのは、国宝金堂にて毎朝行われるお勤めが体験できるところです。
国宝の金堂は非公開文化財ですが、御室会館の宿泊者だけは、お勤めの際に特別に入ることが許されています。

お勤めは、ロウソクだけの明かりの中で行われ、読経に耳を傾けます。
(特に座禅をくむ必要はありません)
数少ないロウソクの炎で浮かび上がる御本尊。
朝日が登るにつれ、徐々に明らかになる金堂内部の美しさ。
まるで素晴らしい音楽のような勤行。
そんな空間の中で、心静かに祈りを捧げる時間は、自分を見つめ直すためだけに時を費やします。
お勤め後の僧侶による法話では、「五感を通して心のあり方を考えて欲しい」とのお言葉。

仁和寺を訪れれば、新しい時代を迎える日本での、自分のあり方を考えるよい機会となるでしょう。

宿泊料金 大人
(中学生以上)
子供
(小学生)
1泊2食付き 11,000円 8,900円
1泊朝食付き 7,200円 6,600円
1泊素泊まり 6,200円 5,600円
仁和寺公式ページはこちら

また上記とは別に最近仁和寺が素泊まり100万円というプランを始めたそうです。
普通のお寺とは違い檀家を持たない仁和寺は収入面で厳しいため、海外セレブ向けのプランとして始めています。

ただ仁和寺の公式サイトでは案内していないため、内容を詳しく聞きたい場合は直接連絡をとりましょう。

問い合わせ先 TEL:075-461-1155

基本情報

住所 京都府京都市右京区御室大内33
拝観時間
  • 3月~11月
    9:00~17:00(受付は16:30まで)
  • 12月~2月
    9:00~16:30(受付は16:00まで)
拝観料 通常境内自由
・御殿 大人500円/中学生以下300円
※霊宝館、桜の時期などは別途拝観料が必要となります。
アクセス
  • 電車でのアクセス
    JR京都駅より市バス26番乗車約40分、御室仁和寺下車
    JR嵯峨野線 円町駅市バス26番にて約10分、御室仁和寺下車
    嵐電(京福電鉄) 御室仁和寺駅下車 徒歩約3分
  • 車でのアクセス
    名神高速道路「京都南インター」より約40分
    名神高速道路「京都東インター」より約40分
駐車場 あり
普通車(9人乗りまで)500円
お問合せ先 075-461-1155
仁和寺公式ページはこちら

まとめ

  • 平安時代に創建された仁和寺は、現在まで千年以上の歴史があります。
  • 仁和寺の1世住職は「宇多天皇」が努め、明治時代までは皇族が代々の住職を務めたことから、門跡寺院の代表格となっていました。
  • 京都3大門の一つ二王門は重要文化財に指定されています。
  • 金堂は現存する最古の紫宸殿であり、現在は国宝に指定されています。
  • 御影堂内部には、弘法大師像や、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像が安置され、重要文化財に指定されています。
  • 仁和寺の桜は、御室桜(おむろざくら)と呼ばれ、京都の名勝のひとつとしても有名です。
  • 仁和寺の紅葉は、桜に比べると知名度が若干低いため、見頃を迎えてもゆっくり楽しむことができる穴場です。
  • 映画に登場する、通称「四葉のクローバー守り」と呼ばれる縁結びのお守りが人気となっています。
  • 八十八ヶ所の堂舎を巡る「巡礼コース」は、距離約3キロで四国八十八ヶ所霊場に巡礼できない人々のために造らせたものといわれています。
  • 仁和寺には御室会館という宿坊があり、世界遺産のお寺に宿泊することが出来ます。

いかがでしたか?
仁和寺では、多くの世界遺産を間近に鑑賞出来、通常の観光や、お寺参りでは体験できない時間を過ごすことができます。
また、強い運気を引き寄せるための本当のパワースポットととして、「自分を見つめなおし、明日から自分がどうあるべきかを考える場所」仁和寺であなたの素敵な時間を過ごしていただきたいです。