ノロウイルスが変異した新たなウイルスが
今年初めから国内で感染を広げていることがわかり、
秋以降大流行の恐れがあります。
ノロウイルスの感染経路を把握して対策を取るとともに
万が一ノロウイルスにかかった場合の症状、
そして感染しても症状がでない不顕性感染についてお伝えします。
ノロウイルスの感染経路は?
ノロウイルスは人に感染しないと子孫を残せないことから
生き残るためには感染を繰り返す必要があります。
そのノロウイルスの感染経路は経口感染(口を通しての感染)ですが
3つに分けられます。
① 食品媒介感染・水媒介感染(食中毒)
ノロウイルスに汚染した食品や水を摂取することによる感染で
一般的に食中毒といわれます。
食中毒は食品や水の汚染経路により二つに分けられます。
一つはノロウイルスに汚染された食品(二枚貝やカキ等)や
飲料水を、生または加熱不十分の状態で摂取する場合、
もう一つは調理中に調理従事者の手指等から食品を汚染してしまい
それを摂取する場合です。
② 接触感染
接触感染には感染した人の便やおう吐物に触れ、手指等
を介してノロウイルスが口から入る場合や
感染した人の手に付着したノロウイルスがドアノブなどに
汚染してしまい、それを触った人の口からノロウイルスが
入ることがあります。
③ 飛沫(ひまつ)感染、塵埃(じんあい)感染
飛沫感染は患者のおう吐物が飛び散り、ノロウイルスを
含んだ小さな水滴が口に入る場合のことで
塵埃感染は患者のおう吐物の処理が不十分なため
それが乾燥してチリやほこり(塵埃)となって空気中を漂い
それらと一緒に口から入る場合のことです。
このように感染経路は食べ物と人からになるので
食品を扱う際とおう吐物や便などの汚物を処理するときは
特に注意が必要です。
ノロウイルスの症状と潜伏期間は?
ノロウイルス感染における潜伏期間(感染から発症までの時間)は
24~28時間で主な症状は
下痢、おう吐、発熱、吐き気、腹痛で発熱は一般的に
軽度(37~38℃)です。
特に突発的な吐き気やおう吐が特徴的で室内等でおう吐をして
環境を汚染する原因となります。
通常はこれらの症状が数日続いた後は回復して、後遺症は残りません。
また、感染しても症状が出ない場合(不顕性感染)や
軽い風邪や悪寒、あるいは吐き気だけのような症状の場合もあります。
ただ高齢者や乳幼児ではおう吐物が気管に入り窒息などで
まれに亡くなる場合もあるので注意が必要です。
ノロウイルスの不顕性感染に注意
ノロウイルスに感染しても症状が出ない場合があり
これを不顕性感染と呼びます。
不顕性感染を起こす原因は詳しくはわかっていませんが
そのひとつの理由として過去に同じ型のノロウイルスに感染した場合
免疫が作用し症状が緩和されることが考えられます。
問題なのは不顕性感染でも便の中には大量のノロウイルスが
存在しています。
本人はノロウイルスに感染している自覚がないため
知らないうちにウイルスが手指付着して食品を汚染してしまいます。
またノロウイルスの症状が回復してもふん便中には長期間
ウイルスが排出されています。
排出される期間は一般的に2週間程度で、長い時は1か月間
続くこともあります。
不顕性感染者や回復した人もトイレできちんと手洗いを
せずにドアノブなどを触り、それを別の人が触って
口からウイルスが入り発症することも考えられるので
特に流行している時期はノロウイルスにかかっていない方も
回復して元気になった方も他の人に移さないように注意が必要です。
まとめ
ノロウイルスの生存期間は低温程長くなり、
これが秋から冬にかけてノロウイルスが流行する要因の
ひとつとなっています。
そして今年は新型のノロウイルスが発見されているので
流行する可能性が高いです。
ノロウイルスの症状があまりでなくても
不顕性感染としてかかっている場合がありますし、
症状が回復してもノロウイルスは身体の中に
いる可能性が高いので
いつも以上に手洗いうがいを入念にするのはもちろん
清掃や洗浄により、環境を衛生的な状態に保つようにしましょう。